2009年 01月 13日

ブリキの黒猫

コレクターズ・アイテムとしてのブリキのおもちゃの価値には全く疎い。
でも、この黒猫は見逃すことができなかった。

*非売品になりました。

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伸ばした前脚から尻尾まで13cm程。

本物の猫の片手だけガッと突き出すポーズを見慣れていたので、
片手(左前脚)の欠損も全然気にならなかった。
帰りの電車の中でこの猫の姿を思い返し、
「あれ?そういえば片手がなかったかな?」と、やっと気がついたくらいだ。

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手先に穴が空いているのは、
もともと両手で手鞠(てまり)をつかむようになっていたんじゃないかと、ZOOが言った
(私はネズミを追いかけていたのかと思ったけど)。
クルクル回る鞠を、尻尾を振りながら追いかける仕掛けだったのだろうか。

ネジ巻きのカギ(?)がないが、
ペンチを使ってゼンマイを巻いてみたらとても愛嬌のある動きをした。

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黒猫は飼ったことがないけれど、
近所の黒猫を撫でて御機嫌な顔をした子どもの頃の写真が残っている。

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忘れられないのは、以前勤めていた会社が、
事務所立ち退き、社屋取り壊し、大リストラ、不当解雇などで
大きく揺れ動いていたとき、
組合事務所があったプレハブ小屋のそばで子猫を育てていた誇り高き黒猫のこと。

そのとき非常につらい立場にいた同期入社の友人Wさんが大変な愛猫家で、
毎日欠かさずその黒猫と子猫たちにエサと水をやっていて、
私もそれを手伝っていたのだけど、
しなやかな体躯の母黒猫はとても用心深く、
せいぜい2mくらいまでしか近寄れなかった。

「さて、あの猫の呼び名は何にしましょう?」というWさんのメモに応じて
(違うフロアにいた私たちは、当時社内ではもっぱら筆談でやりとりをしていた)、
クールなインディペンデント映画界のミューズ=クロエ・セヴィニーや、
ステラ・マッカートニー(ポール・マッカートニーの娘)がデザイナーに就任して
若々しく再生させたブランド「Chioé」をイメージして、
『クロエ』という名前を提案したところ、
「ナイスなネーミング!」と採用してもらった。

やがて労働争議も終結し、クロエはWさんが保護。
後ろ脚のケガの手術など手厚い治療を施され、
今はWさんの妹さんが世話をしている。

クロエはいまだに身体に手を触れさせないというから、
余程人間からつらい目に遭わされたのだろう。
でも今ではWさんの妹さんと気のいいオス猫Pとのマンション暮らしで
幸せ太りをしているそうだ。

by penelope33 | 2009-01-13 20:59 | 古いもの・古びたもの | Comments(4)
Commented by Awavi。 at 2009-01-13 22:11 x
僕もブリキの玩具はまったくわかりませんけども・・
恐いくらい味のある黒猫さんですね〜。
ヤマコ。ライバルが現れて落ち着かないんじゃ?笑
Commented by penelope33 at 2009-01-13 23:39
ヤマコ、最初ちょっと近づいてクンクンしてましたけど、
自分と同じ生きもののカタチだとはわからなかったようで、
全然気にしてませんでしたよ(笑)。
Commented by g0316 at 2009-01-14 01:44
peneさん、こんばんはぁ!
本当でした!ご機嫌な顔をした子供が写っていました!(笑)
一番最後の写真を拝見する限り手の無いのは言われなければ
わからなかったかも!尻尾が可愛いです!^^
Commented by penelope33 at 2009-01-14 02:08
garouさん、こんばんは!
そうか、garouさんはまだあの空豆顔を見ていなかったんですね。
リンクした甲斐がありました(笑)。 ^^

ゼンマイを巻くとグィーンと前進して尻尾がクルリンと回って、
そのはずみで寝転んで、また起き上がって進む……ようです。
まだ試運転中ですけど。


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