青蓮亭日記

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2009年 04月 07日

侠気の木箱

古い木工品を仕入れたら、大抵水洗いして汚れを落とし、
用途に応じてオイルかワックスを塗り、古材の良さを引き出しつつ、
買われた方がすぐ使えるように手入れをする。

でもこの木箱にはヘタに手を加えるのをためらわせる威風がある。
道具箱の類だったのだろう。
使い込まれ汚れにまみれながらも控えめな艶を放っている。
この汚れ自体がこの箱の重要な “美質” なのではないかという気がしてくる。

汚れを落としてしまったら、
伝世品の茶碗を漂白するような、
何か取り返しのつかないことをしたような気になるかもしれない。

古傷を負った口数の少ない侠客のような……というと、
任侠映画の見過ぎかという気もするが、
最初この箱を見たときに「侠気(おとこぎ)」という言葉が浮かんだのは確か。

(幅:約29.3cm・奥行き:約17.7cm ・高さ:約15cm/売約済)

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個人的にはこの内側の乾いた質感も好み。

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きちんと組まれたコーナー部分。

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金具の鉄味もいい。

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用途に応じてお好みで手を加えていただければ……。
御要望があれば代行もいたしますが。

by penelope33 | 2009-04-07 21:31 | 古いもの・古びたもの | Comments(2)
Commented by take at 2009-04-09 00:26 x
実にいい感じですねえ。偶然、今日これに似た形の大振りなものをBBCのアンティーク番組で紹介していましたが、百年以上前ビクトリア時代に主婦がリネンを入れるのに使っていたそうです。蓋を開けると本体の縁に小物箱が引っ掛け渡してあって、それはロウソク箱だったそうです。ロウソクは虫Mossを遠ざけるからだそうです。
Commented by penelope33 at 2009-04-09 10:43
ああ、ありますねぇ、リネンを入れる古い大きな箱。
ロウソクが防虫剤になるとは知りませんでした。

この箱、たぶん日本のものだと思うのですが、
あまり和のイメージがないんですよね。
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