青蓮亭日記

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2012年 05月 21日

苗代川焼の蕎麦がき碗

ひと目見て「オンギ(=韓国の雑器)かな?」と思ったが、
『苗代川焼(なえしろがわやき)の “蕎麦がき” 碗』なのだそうだ。

『薩摩焼(さつまやき)』のWikipediaによると、

『薩摩焼は、鹿児島県内で焼かれる陶磁器で、竪野系、龍門司系、苗代川系がある。
主な窯場は姶良市の龍門司窯、日置市(旧東市来町)の苗代川窯、鹿児島市の長太郎窯など。

「白もん」と呼ばれる豪華絢爛な色絵錦手の磁器と
「黒もん」と呼ばれる大衆向けの雑器に分かれる。

初期の薩摩焼においては豊臣秀吉の文禄・慶長の役の際に、
捕虜として連行されてきた朝鮮人が島津義弘の保護の下に発展させた』

……とある。

『苗代川焼』と聞いて思い出したのは、
一昨年の『ルーサイト ギャラリーの骨董市』で見た擂鉢

でも、悲しいかな、2年近くその言葉を口にしたことがなかったので
漢字のイメージだけが浮かび上がり、
「え〜と、『いなわしろがわやき』、ですか?」と口走ってしまった……。

『鎌倉・もやい工藝』店主・『手仕事フォーラム』代表の久野恵一さん
現代の龍門司窯の陶工・猪俣謙二さんに古い苗代川焼の蕎麦がき碗を再現してもらった経緯が
こちらのページに紹介されていて、興味深い。

このニュアンスのある黒色といい、シンプルな形といい、手に持ったときのサイズ感といい、
とても地味だけれど、ものすごく使ってみたくなる器だ。

丼としてはもちろん、少々厚手で野暮ながら、抹茶碗でもいける。

(明治頃/直径:約13.9cm・高さ:約7.1cm/御売約)

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蕎麦がきを捏ねてそのまま食べる器なので、頑丈で底が平ら、安定した形をしている。

黒釉は窯変して、緑がかった色合いになっている。

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口辺と底が施釉されていないのは、
縁と縁を重ねて焼いた「蛤合わせ」という製法によるもの。

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いろいろ調べていくと、
柳宗悦がこの苗代川焼の蕎麦がき碗を高く評価していたという記述も見かけた
(出典は定かではない)。

私としては、フィンランドの国民的デザイナー、カイ・フランクが生きていたら、
ぜひ見せてあげたい「造形」だ。

キンキラした絵付けの『白もん』は無縁だけれど、
白無地の平佐焼と『黒もん』には同じくらい惹かれる。

それはそうと、『蕎麦がき』のある蕎麦屋なんて、久しく行っていない(食べたい……)。



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by penelope33 | 2012-05-21 21:54 | 古いもの・古びたもの | Comments(0)


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