青蓮亭日記

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2012年 09月 27日

『野菜のポタージュ』作家の器リストとスタッフの横顔

私が初めて器のコーディネートを担当させていただいた書籍、
野菜のポタージュ ~1週間分まとめてつくる 毎日のからだを整える季節のスープ~
(著者:石澤清美/出版社:株式会社マイナビ/A5版/112ページ/税込1,365円)。

この本はあくまでも「料理本」で「器の本」ではありませんが、
先日の御紹介以上に今の私ができることといえば、
ビジュアル面をアピールすること位ですので、
今日は作家物の器のデータとともに画像もいくつかUPしてみたいと思います。


この本の器のコーディネートのお話を受けた際、
最大の難問は、一部のアレンジメニューを除き、
ほとんどのお料理が均質化した淡い色合いのポタージュスープだということでした。
その優しい色を引き立たせつつ、1冊の本の中で変化を持たせないといけない……。

野菜の色や旨味を凝縮したポタージュには、
豊かなディテールや存在感を持ち、
じっと見つめていても飽きることのない “古い器” が似合うと、まず思いました。

「骨董の器」というと、ゴテゴテした装飾的なものを想像する方も多いかもしれませんが、
古い器には意外なほどシンプルでモダンなものがたくさんあります。

こうした実用書を手に取る幅広い方々に、
古いものの良さを「なんとなく」でも感じていただけたら……と思いました。

手持ちの古い器に足りない「華」・「質感」・
「色」(=黒、おだやかなトーンの緑〜黄色系)は、現代の器で補おうと考えました
(多くの方にとっては、現代作家の器のほうが「骨董の器」よりも身近でしょうし)。

その際、白磁、粉引、刷毛目、鉄釉、黒釉、灰釉、焼締といったオーソドックスな技法で、
シンプルなフォルムの品々を選びました。

いつもの食事や撮影で実践しているように、
洋の食材にあえて染付の膾皿を使ったり、
和の器の下にフランスのストライプのリネンを敷いたり、
おなじみのARABIAの器に古い器を合わせたりと、
自分らしいコーディネートを心がけたつもりです
(……といいますか、自分の持ち味を出すしかなかったというのが本音ですが)。

石澤先生による多彩なトッピングや美しい盛りつけが加わり、“スタイリング” の完成です。


さて、それでは、本には記載していなかった陶芸作家の方々のお名前を御紹介します
(+αの写真もいくつか)。

*以下の画像は全て(C)神林 環

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P16「菜の花」……『白磁輪花鉢』(宮岡 麻衣子)↑(表1「コーン」も)



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P22「春キャベツ」……『黒釉飯器』(喜多村 光史)↑


P24「にら」……『鉄釉飯碗』(郡司庸久)


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P28「クレソンソースの春の魚のグリル」(画像・上)……↑『黒錆7寸皿』(田鶴濱 守人


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P44「フレッシュとうもろこし」……↑ ARABIA『24h』スープボウル+蜃気楼文印判6寸皿(明治〜大正期)


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P45「枝豆」……型ガラス乳白デザートグラス(昭和期)+錫製茶托(年代不詳)↑


P65『鉄彩7寸カレー皿』(増田 勉)、乳白型ガラス小鉢(昭和期)


P70「かぼちゃ」……『粉引5寸鉢』(余宮 隆)


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P71「アボガドとかぼちゃ」……『黒錆浅鉢』(田鶴濱 守人)↑


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P73「ごぼう」……『鉄釉飯碗』(郡司庸久)↑


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P76「さつまいもとにんじん」(画像・中央)……軟質白磁カフェオレボウル(フランス)↑
P77「栗とさつまいも」(画像・右)……キュノワール・マグカップ(フランス)↑


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P80「レンズ豆とセロリ」……ARABIA『Kilta』コーヒーカップ ↑


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P82「しいたけペーストで作るポークリゾット」……『飴釉6寸皿』(古賀雄二郎)↑


P84「焼き野菜の小松菜スープサラダソースかけ」……『黒釉6寸皿・黒釉4寸リム皿』(増田 勉)


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P90「れんこんと冬ねぎ」……『刷毛目5寸鉢』(余宮 隆)↑


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P92〜93「ほうれん草」……『粉引5寸鉢』(余宮 隆)↑


P94「皮つき大根」……『灰釉飯碗』(田谷直子)


P95「金時にんじん」……『鉄釉飯碗』(郡司庸久)


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P96「かぶと長いも」……『灰釉飯碗』(田谷直子)↑


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P97「カリフラワー」……くらわんか蝶文膾皿(江戸期)↑


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P99「冬かぼちゃと冬キャベツ」……『黒釉5寸鉢』(増田 勉)↑


P101「春菊」……『鉄釉飯碗』(郡司庸久)


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撮影を担当されたのは、神林 環さん

高校卒業後、渡米。
大学で写真(専攻はファインアート)を学び、
今は日本とアメリカを行き来しつつ主に雑誌媒体で活躍中。
日本での掲載誌は、天然生活、ecocolo、FRau、四季の味、栄養と料理、今日の料理、cafe&Restaurant 等。

悪天候やタイトなスケジュールにもかかわらず、
終始穏やかな人柄そのままに、静謐で瑞々しい写真を撮ってくださいました。

日々、自己流で商品写真を撮っている私にとって、
ひさびさにプロのカメラマンの方の仕事ぶりを拝見するのは、とても興味深かったです。


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神林さんの写真をベースに、上品でチャーミングなデザインにまとめあげたのは、
エディトリアル・デザイナーの三上祥子さん。

三上さんは、デザイン・印刷業界が「DTP(デスクトップパブリッシング)」に移行する前の、
「写植・版下」の時代を知っている最後の世代でしょうか……。

今はPCで誰もが簡単なデザインができてしまう時代ですが、
エディトリアル(書籍・雑誌)一筋、
しかもアナログとデジタルの両方の世界を知っている方ならではの繊細さと巧さを感じます。

学生時代にグラフィックデザインを専攻しながら、「自分はデザイナーには向いてない」と、
「ペンを折る」……じゃなくて「ロットリングを投げた」私ですが、
一応デザインの良し悪しはわかる、つもり……。


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版元の編集担当である成田晴香さんとは、
本が出来上がるまであまりお話をする機会がなかったのですが、
販促関係のことをメールでやりとりする間に、
わたしのお店のはじめかた。 〜人気店に学ぶ雑貨店&カフェ開業BOOK〜』という本を
企画・編集されたと知りました
(他にもた〜くさんの本を手がけていらっしゃるのでしょうけど)。

増刷を重ね、Amazonのマーケットプレイスでもほとんど定価と変わらない値段で
出品されていることからも、きっとこの種のお店を個人起業される方にとって
バイブルのような本になっているのだろうなと思います
(実店舗のない私も「ナルホド!」と思うことばかり)。

私は、音楽・映像関係の小さな会社で販促や制作管理の仕事をしていたことがあります。
営業・宣伝といった社内の各セクションとの意見調整や、社外スタッフとの連携や折衝など、
仕事の内容がなんとなく想像できるだけに、
締め切りに追われながらいくつもの企画を同時進行しなくてはならない書籍編集者の
尋常でない多忙さがよくわかります。

成田さんの細やかさとタフネス、私も見習いたいものですけど、かなり難しい〜。


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古道具屋として、基本的にひとりで仕事をするようになって結構な年月がたちましたが、
今回、さまざまな分野のプロフェッショナルの方達とお仕事をさせていただいて、
本当にいろいろなことを学ばせていただきました。

それにしても、経験やスキルにも増して、やはり体力というのは重要ですね。
体調が万全でないとアタマもクリアな状態を保てません。
特にこういった撮影では臨機応変に物事に対処していかないといけないのですが、
反省すべき点が多々あり……。

私にとってこういった仕事が「この次」もあるのかどうかわかりませんが、
今回の経験は今後有形無形に役に立つことと思います。

フリーランスの編集者という立場でこの本の企画をし、
スタッフィングからスケジュール・予算管理、校正まで、
粘り強く舵取りをされた土澤あゆみさんを始め、
スタッフの皆さんと石澤先生に、改めて感謝。



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by penelope33 | 2012-09-27 18:06 | 書籍『野菜のポタージュ』 | Comments(6)
Commented by Raindrop at 2012-09-27 17:35 x
ちょうど昨日、アマゾンで注文していたこの本が届いて、眺めていたところです。
作家物の器も興味深く見ていたので、名前が分かってうれしいです。
個人的には古賀雄二郎さんの飴柚のお皿が素敵だなぁ、欲しいなぁ、と思ってしまいました。。
(なかなか手が届きそうにないですが・・)
そしてスープのためにかねてから欲しかったミキサーを購入するぞという決意も新たにしたところです(笑)。
Commented by penelope33 at 2012-09-27 22:09
> Raindropさん

『二子ノミの市』ではありがとうございました♪
そして、本もお買い上げいただき、重ねて感謝です!

古賀さんのお皿、今年の新作のこのお皿と似ているのですが、
http://www.utsuwa-hanada.jp/online_shop/shouhin/5309s/085216025/085216025.php
なぜか今年の形はガクッと「段」がついているのですよね。

個人的には、リムと見込みがなだらかにつながっているほうが
好きなのですよね〜。

私は一度ミキサーをフリマで手放したことがあったのですが、
その後全く同じものを買いまして(K古道具さん、私もなんですよ〜)、
今は心から「持っててヨカッタ〜」と。 ^^
Commented by Raindrop at 2012-09-28 01:31 x
ああ、私もふちに段差がないものを探しているので、残念・・・
ふちに段差があると、狭いテーブルの上ではちょっと使いづらいんですよね。。
ところで、ミキサーでお勧めのものってありますか??
家電に疎いのでどうしたものかと思案中なんです。
Commented by penelope33 at 2012-09-28 11:17
私は、「ホウレンソウのカレー」http://seirentei.exblog.jp/8367138/ と
ときどきジュースが作れればと思い、
デザインであたりをつけてAmazonのレビューで比較検討して、
結構巨大な『ブラウン パワーブレンド MX2050』というのを買ったのですが、
もう廃番になってしまっているんですね。

でも、冷え性なので、結局冷たいのみものはほとんど作らなかったという……。 ^^;

ハンディタイプのものは使ったことがないのですが、
私はなんとなく「置いて使うタイプ」が好きです。

Amazonや価格COM.で「ジューサー」「ブレンダー」で検索して下調べをして、
家電店などで実物をチェックしてみてください。

無印のジューサーも悪くないみたいですよ。
Commented by Raindrop at 2012-09-29 02:38 x
いろいろありがとうございます。
無印の家電はどれもデザインは好きなのですが、家電としての性能に少々不安があって敬遠していたんですよね。(基本三洋みたいなので)でも、、もう少し口コミ等調べて検討してみようと思います。
ハンディタイプは、不安定で飛び散りそう、というのと意外と収納場所に困りそうという理由で私も候補には入れていないんです。
使いたい時にさっと使えないとこういうものは逆に面倒で使わなくなってしまいそうなので、据え置きタイプの方がスペースの確保問題はあるとはいえ、こちらかな、、と。
まずはamazonで下調べですね~
Commented by penelope33 at 2012-09-29 10:19
ちなみに本に掲載されているミキサーは、
『Panasonic ファイバーミキサー ホワイト MX-X38-W 』のように見えますね。

撮影のときに遠目に実物を見ましたが、
小振りでシンプルなデザインで、一見「無印?」という印象でした。
御参考まで。
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