青蓮亭日記

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2015年 12月 13日

李朝黒釉壺

実はこんなサイズの「壺」を扱うのは初めて。

自分が心惹かれ、手が届く値段で、時代もあり、
なかなか売れなくても(精神的・経済的に)持ちこたえられるものというと、こんな品になった。

統一新羅時代(8〜9世紀)のものということで購入(新羅〜高麗時代の徳利はこちらに)。

こんなサイズのものだから類例があるだろうと思い、手元の資料をあたったが見当たらない。

新羅の壺の類はもっとシャープで厳しい造形なんじゃないかという疑問もあり、
発掘品でないような雰囲気も感じられたので、李朝時代のこの黒釉水瓶のことを思い出し、
「もしかして、もっと時代が下るのでは……?」と、お詳しい方にお尋ねしてみた。

『韓国陶瓷史の研究』(尹 龍二 著・弓場 紀知 日本語版監修・片山 まび 翻訳/1998年・淡交社 刊)
によると、朝鮮時代の初期から後期に至るまで、三国時代の陶器の伝統を受け継いだ
硬質・軟質陶器がそのままつくられていたとのこと。

つまり、高貴な人々のみが使う白いやきものが作り続けられた一方で、
庶民が使う黒褐色の甕器(おうき・オンギ=かめ。みか。酒や水を入れる大瓶)、
灰青色・灰黒色硬質・軟質陶器もずっと作り続けられていたということで、
こういったことは近年の研究で明らかになったそうだ。

(李朝前期頃?/高さ:約25cm・口径:約13cm・胴径:約23cm・底径:約15.5cm/御売約)

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大きさの割りに驚く程軽く成型されており、堅く焼き締まっている。

天然の石のような静かなたたずまいと大らかな形。
白いやきものとはまた違った存在感があり、より寡黙だ。

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この口作りが李朝前期のものだと御教示いただいた。

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こちら側はあまり艶がないが、発掘もの特有の「カセている」感じはしない。

以下は、同書に掲載の画像から。

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この青海波のようなたたき目は、古木の年輪の跡なのだそうだ。

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水漏れはなく、落としを使わずに花を生けられる。

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ありあわせの花材でお粗末ですが、まあ、雰囲気だけでも。

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通りすがりのヤマコ。

一昨日、驟雨の後暖かかったので、少し長い時間外に出したら、激しい咳が続いた。
病院に連れていけば、レントゲンを撮ったりステロイド剤を処方されたりするし、
ハーネスとリードは嫌がるしなぁ……。
「散歩は付き添って短時間」というのを徹底しないといけない。

そういえば、まこはときどきハーネスとリードで散歩していたなぁ。
昨日、在りし日の画像をながめていて、涙がポロポロ止まらなかった。

動物と一緒に暮らせば、誰でもこのブログ主さんのような経験をする。
余所様の猫だけど、実際には会ったことはないけれど、いい奴だったなぁ、まこ。合掌。



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by penelope33 | 2015-12-13 23:12 | 古いもの・古びたもの | Comments(6)
Commented by 通りすがり at 2015-12-14 09:50 x
良い壺ですね。丹波のような味わいもあり、しかし石仏のようなしずかな存在感は、やはり新羅でしょうか。さまざまなものが混ざりあった、不思議な壺ですね。
Commented by penelope33 at 2015-12-14 11:56
> 通りすがり 様

もしや、某・骨董ブログ主様でしょうか……?(違っていたらすみません)

おホメいただき、また御教示もいただき、まことにありがとうございます。

時代につきましては、十中八九「新羅」と言われることを覚悟しつつ、
問題提起の気持ちを込めて上記のような記述をしてみました。
Commented by 通りすがり at 2015-12-16 11:54 x
残念ながら某骨董ブログ主ではありません笑(カワセミさんのブログはよく拝見しております)

かたちと肌が備前を彷彿させるので新羅かなぁ・・と思ったところでした。もう売れておりますね、蹲のように花が映えそうな壺ですね。
Commented by unjaku at 2015-12-16 16:41
なんて静かなたたずまいでしょう。惚れてしまうところだったけど、もうお嫁に行ったのね。
私も丹波の黒い壺持っています。
Commented by penelope33 at 2015-12-17 02:11
> 通りすがり 様

カワセミ様のブログ、勉強になりますし、お料理がまたおいしそうですよね。 ^^

蹲もいつか扱いたいと思いつつ、なかなか機会がなく……。
「壺」を扱うときは、正直なところまだヒヤヒヤしながらという感じです。^^;
Commented by penelope33 at 2015-12-17 02:15
> unjakuさん

まだ発送前でして、お買い上げくださった方がお気に召してくださることを祈るばかりです。

丹波の黒い壺、拝見したいですね!
私もいつか六古窯の壺なぞを扱うようになるのでしょうか……?(笑)


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