青蓮亭日記

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2015年 12月 20日

ゆうべの晩ごはん(ブリの照り焼き、豚汁)

役所や企業の仕事納めがだいたい28日だから、今年もあと実質1週間。
事務仕事や用事が溜まっていて、急に焦り出す。

昨日は例によって、ロクに寝ずに早朝から仕入れに出かけた。

来年の手帳や卓上カレンダーも買いたいし、観に行きたい展示会などもあるのだけど、
くたびれてしまい、真っ直ぐひばりケ丘に戻り、食材だけ買って帰る。

ブリが安かったから 「ブリ照り」、寒いから「豚汁」(まったく芸がない……)。

武田百合子の『富士日記』を読んでいると、山荘での暮らしということもあり、
食事がとても簡素で、「昼 ふかしパン(=蒸しパン)、紅茶」などという記述にしびれる。

感化され、スーパーの総菜をなるべく買わないようにして、
カンタンな料理を材料から作るようにしている。

……といっても、余裕のないときは無理はしない
(『点店 2』の期間中、ずっと夕飯は『オリジン弁当』だった)。

豚汁はZOOさんの好物だから、「材料を切るのを手伝ってよ」とダメモトで言ったところ、
昼寝(夕寝)から起きたら大鍋いっぱいに野菜と肉が煮てあった。
あとは味つけをするだけ。
いつもこんな感じだとラクなんだけどなぁ……。

ゆうべの晩ごはん(ブリの照り焼き、豚汁)_f0151592_16191521.jpg




「ブリ照り」を載せたベトナムのバッチャン焼の四方皿は、自由が丘のアジア雑貨の店で買って20年程経つ
(当時使っていたミニミニ食器棚が、こちらのページの最後に載っている)。

今はもっと伸びやかな筆致のものが好みなのだけど、
東京国立博物館にあるような安南染付大皿も、中国や朝鮮のやきものと比べると、
なんとなく “しみじみ” した控えめな描線なので、これは国民性なのかしらと思ったり。

お新香の白磁膾皿は、こうやって見ると冬にはちょっと寒々しい感じ。

生姜醤油が効き過ぎたのか、食後すぐ胃が痛くなる。

ゆうべの晩ごはん(ブリの照り焼き、豚汁)_f0151592_1619872.jpg
実くんは左ききだったのか……。


夕飯時の映画・ドラマ鑑賞は、今は延々と『刑事コロンボ』シリーズ。
私は子どもの頃に母とよく観ていたけれど、
ZOOさんは「なんだかコロンボが意地悪く見えて好きじゃなかった」とかで、今になってハマっている。

ZOOさんが録画した番組のチェックをしているとき、
小津の『お早よう』のデジタル・リマスター版を少しだけ観た。

ふたり兄弟の兄の実が「今日も豚汁とサンマか」とむくれていて、おかしかった。
私も今日、秋刀魚とブリのどちらにしようか迷ったから。
「豚汁と秋刀魚、上等じゃないか!」と思うが、子どもはやっぱり唐揚げとかハンバーグがいいのか。

リマスター版は、カラーの小津作品の色の鮮やかさはもちろん、
子どものセーターの毛玉や母親達の着物の質感まではっきりわかる。

ゆうべの晩ごはん(ブリの照り焼き、豚汁)_f0151592_16191196.jpg

昼間は「原節子 追悼特集」の黒澤の『白痴』を途中から観て、ぐいぐい引き込まれてしまった。

原節子が演じるのは政治家の愛人「那須妙子」(ドストエフスキーの原作では「ナスターシャ」)。

昔、仕事で書いたちょっとした文章に、
アメリカの映画監督が諸事情で匿名にするときの「アラン・スミシー」をもじって、
「荒井澄子」と署名したことを思い出す。

……閑話休題。
高慢でしたたかなふるまいの中に純粋さを垣間見せる妙子役を、原節子のベストに挙げる人も結構いるようだ。

妙子の誕生会のパーティーのシーンで、後ろ姿で高笑いするところがあるのだけど、
いかにも女王然とした笑い声の中に低く下卑た老婆のような地声が混じっており、底知れぬ恐さがあった。

本作は、東宝の監督である黒澤が松竹に招かれ、前後編に分けて公開する前提で撮影しながら、
途中で会社側から大幅なカットを要求された、いわくつきの作品。

あるシーンの撮影で、原節子に「どんな表情で演じたらいいんでしょう?」と問われた黒澤は、
その場では即答できず、原作を読み直したというし、
精神的に追い詰められ憔悴したせいか、
撮影終盤では助監督の野村芳太郎にカットのOK出しをまかせたという。

だから、あの笑いかたも、黒澤の演出なのか原節子が考えた演技なのかわからない。

年末年始にでも、ちゃんと観直そうと思う。



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by penelope33 | 2015-12-20 17:28 | つれづれ | Comments(2)
Commented by さわだ at 2015-12-29 21:45 x
こんばんは。私もまったく同じベトナム皿持っています。自由が丘に住んでいたときの住居が
そのお店の近くでした。うちの普段の食器はベトナムだらけです。
昔のものより薄い器が増えましたよね。また来年もよろしくお願いします。
Commented by penelope33 at 2015-12-29 23:17
さわださん、こんばんは。

店名を失念していたのですが、
当時読んだ雑誌(『別冊 太陽』1998年2月号)をひもといてみたら、
『芽亜里』自由が丘支店!(今はもうないんですよね〜)

そういえば私も、染付の直径12cm位の取り皿4枚とか、最初はベトナムものでしたね。
安くて丈夫で風情もあって、お財布に優しい
(この四方皿は当時の私にとっては結構高い買物でしたが……)。

また来年も、こちらこそよろしくお願いします。
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