青蓮亭日記

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2016年 03月 28日

美濃拓器染付菊花文中鉢

以前扱った陶胎染付の鉢より、さらに肥前磁器である「くらわんか」に似た雰囲気の、
美濃拓器染付の菊花文中鉢。

「美濃くらわんか」という呼び方もあるようだ。

当ブログの読者の方から御教示いただき購入した、
豊田市民芸館『第39回企画展 美濃・拓器染付展 ー幻の呼称 太白焼の世界ー』図録(平成9年)より、
「拓器染付」についての解説を引用。


  美濃の染付製品は太白焼とも呼ばれ、江戸時代の文化・文政のころ(1804〜1829)に焼造
 されたものと考えられていますが、今のところ確たる証拠はありません。しかし市の倉水神窯
 出土といわれる拓器染付広東碗には、天保9年(1838)銘が記されており、確実な年代として
 は、江戸後期の天保時代まで遡ることが出来ます。既に操業していた本業窯(陶器や拓器の製品
 を焼いていた江戸初期からの窯)は、早くから、売れ行きの良い有田のような磁器を焼きたいと
 いう願いがありましたが、有田のような陶石が発見できず、試行錯誤の末、出来上がったのが
 拓器を素地とした染付でした。

  拓器染付は、磁器と陶器の中間の半磁器製品で、より白くするために鼠色した拓器素地に白泥
 (白色したカオリン系鉱物)を塗り、その上に呉須絵を描いて、透明釉をかけ焼かれた製品です。



菊の花の絵付けはこちらの蕎麦猪口と似ている。

鄙びた肌合いながら、流麗なタッチで描かれた菊花が華やぎを添えている。

(江戸後期/直径:約15.8cm・高さ:約5.2cm/御売約)

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こっちの向き?

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この図録を見ると、「黄色っぽいのは瀬戸、グレーがかったのが美濃太白手」といった先入観が崩れ、
さらに混乱する(「瀬戸の太白手」という言い方もあり、ややこしい)。

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こんな菊花文の鉢が掲載されていた(あれ?表紙でセンターになってるお方だ……)。

こちらの鉢のような、もろもろした黄色い「もぐさ土」は美濃焼の特徴だけれど、
時代が下るとこの鉢のように磁器に近い質感のもの(拓器)になっていったのか、
あるいは平行して作られていたのか……?

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手を添えるとこんなサイズ感。

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上釉に入った貫入。

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「くらわんか」に肉薄しつつも、やはりぽってりとした感じ。

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ウブな汚れがあるけれど、ハイターは使わず、せいぜい重曹位にしておいたほうがよさそう。

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by penelope33 | 2016-03-28 21:51 | 古いもの・古びたもの | Comments(0)


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