青蓮亭日記

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2007年 11月 20日

「ふみふみ」と「トントン」

SNSのmixiには猫好きの人のコミュニティがいくつもあるが、
その中に、キジトラ猫がお母さんのおっぱいを吸うように
前脚を交互に突く動画がトップ画像になったものがある。

猫を飼っている人にはお馴染みの、足踏みのようなこの仕草。
掲示板で「この動作、何と呼びますか?」というトピックを立てた方は、
「ふみふみ」と呼んでいた。

私の知る限り、いつもというわけではないが、猫は寝る前にこの仕草をする。
一種の “睡眠儀式” といっていいかもしれない。
ただ、下の画像のヤマコのように
何かをくわえながら「ふみふみ」する猫は珍しいようだ。

暗いところで撮影してMacに取り込んでみたら、
「トランス状態になってエクトプラズムを出している “霊媒猫” 」
といった図が現れ、吹き出してしまった。

f0151592_2023266.jpg




昔実家でキジトラの雌猫を16年程飼っていた。
名前を「よね」といった。

動物病院から「小宮(←私の旧姓)よね 殿」と書かれた薬袋をもらうときなど、
当の飼い主でさえ笑いたくなるような古風な名前は、
米問屋を営んでいた母方の祖父の幼名から兄がつけた。

体長20cmにもならない子猫の頃に、
姉が勤めていた京橋の会社の近くで拾ってきた「よね」。
母となり、おばあちゃんといっていい歳になっても、
寝る前に無心に「ふみふみ」する様子を見ると、
まだ母親のおっぱいを吸いたい盛りに “みなしご” になってしまった境遇を思い、
不憫な気がしたものだ
(母親とずっと一緒に暮らす幸せな猫も「ふみふみ」をするものなのだろうか……?)。

よねの「ふみふみ」は、口に何もくわえず前脚を動かすだけの仕草で、
実家では「トントン」と呼んでいた。
5人家族の中でなぜかよねは私を一番好いていたようで、
私がコタツに入り腹這いに寝転んでいるときなど、
よく背中に乗って「トントン」をした。

そんなときは、細く暖かい猫の足先が加える圧が心地よく、
不憫というよりはなんとも愉快で幸せな気分になったものだ。
しかしよねが寝入ってしまうと、
次第に背中の漬物石のような重みに耐えられなくなり、
「よね、ごめん……」と言って降ろすのが常だった。

今、飼い猫のように毎日一緒に暮らすヤマコが私を見る目は、
ZOOに言わせると「何かある」のだという。
ヤマコもキジトラなので、きっとよねの生まれかわりか、
私の背後によねの霊がいるんじゃないかと、笑い話をしているのだけど。

f0151592_15383270.jpg気味悪く思う方もいるかもしれないが、
よねが10年程前に死んだとき、
実家を離れて東京で暮らしていた私は
よねの骨を分けてもらい、
ネパール製の蓋付きの木の壷に収めた。
それから1年くらいは、
道でよねに似たキジトラ猫を見るたびに
涙目になって困った。

今でもよねの骨を入れた木の壷は、
少しだけ古色を帯びて、
古い中国の書棚にちんまりと収まっている。

by penelope33 | 2007-11-20 15:56 | つれづれ | Comments(2)
Commented by Awavi。 at 2007-11-20 22:16 x
こっちではお初です。
フミフミ、幼猫期の乳を吸う行動の名残りなんですよね〜。
自分の観察する限り、成猫になってもフミフミ行動するのは牡猫が多いように思います。
人間と同じでオトコはいつまでも子供っぽいのかも知れません・・。
寒い季節になって、猫の重みが恋しいです。
Commented by penelope33 at 2007-11-20 22:44
Awavi。さん、ようこそ。
フミフミ、牡猫が多いんですか〜。知らなかった〜。
猫行動に詳しそうな方がおっしゃるには、
フミフミをするのは“幸せな猫”なんだとか。
ごはんや住む家に困らないからこそ、
こういう子供返り行動ができるのかもしれませんね……。

今のAwavi。さん、10年前の私とおんなじ心境なんでしょうね。
私は、「よねみたいな猫、
もう二度と会うことはないんだろうな」と思って、
実際これからもそうなんだと思いますけど、(人様の猫ながら)
またヤマコみたいな個性的な猫と会うことができました。
Awavi。さんもこれからの人生で、
また“出会い”があるかもしれませんね……。
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