2007年 12月 04日

李朝堅手塩筍盃 「蛙」

この小さな壺は、塩などの調味料を入れていた古い朝鮮の雑器で
「塩筍(しおげ)」という(李朝前期=1392〜1600年頃)。
口辺と高台がほぼ同じ大きさで、胴がふっくらとしているのが特徴。
大振りのものは、
冬の独服(=ひとりでお茶を点てて飲むこと)用の茶碗に見立てて使われる。

(売約済)

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上の画像では左端に。
山茶碗や普通の堅手盃などと比較すると、
サイズがおわかりいただけるかと思う(胴径:約7.3cm・高さ:約6.5cm)。
下の画像は高台周辺。

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この品のように小さなものは、蓋をつけて茶入れにすることもあるが、
飲みくち(=口辺の薄さや質感などの“具合”)がよければ盃になる。
手頃な値段で気に入ったものがあるとよく買い求める。
燗酒や焼酎のお湯割りなど、今の季節にちょうどいい。

私は低血圧ですぐに頭がぼおっとなるので、
決して酒に強いとはいえないけれど、かといって弱くもない(みたい)。

20代の頃はビールが一番好きで、酒席では最初から最後までビール。
ワインも好きだったけど家で安物ばかり飲んでいた(酒屋で箱で買っていたこともある)。
ワイングラスは持たず、大正時代の剣先鎬コップでグビリとやる
(古いフランス映画に出てくる鳥打帽をかぶった労働者の気分で)。

歳を取るにつれ、焼酎の水割り・お湯割り(蕎麦屋では蕎麦湯割りも)、
そして骨董の酒器を扱うようになってからは、俄然日本酒を飲むことが増えた。
でも一番多いのはコップ酒か……(ヘビーローテーションの“コップ”は後日御紹介予定)。

青山二郎が「見た者は蛙になる」という意の言葉を箱書きした
白洲正子旧蔵の無地唐津筒盃がある。
そこへいくとこの塩筍盃は、
艶のある緑がかった灰色の肌といい、姿といい、
元が蛙だったんじゃないかというたたずまい。
酒を入れたら、アラアラ不思議……ということはなかったけれど。

by penelope33 | 2007-12-04 19:49 | 古いもの・古びたもの | Comments(5)
Commented by びっき☆ at 2007-12-04 22:27 x
わりと小さなものなのですね。
2枚目の写真で大きさが実感できました。
ほんと、勉強になりますね~ここは。

僕も最近は日本酒、泡盛が多いです^^;
コップはお気に入りの物を日替わりで、やってます。

>「見た者は蛙になる」という意の言葉を箱書きした白洲正子旧蔵の無地唐津筒盃がある。
もしかしたら、僕はその盃をちらっと見てしまったのだろうか…見てみたいかも^^;
Commented by penelope33 at 2007-12-05 01:11
私自身、勉強しながら書いてます……。^^;
唐津盃、追って画像をUPしますね(数日したら削除します)。
Commented by Balleta_la_reie at 2008-04-02 10:18
この手の磁器は、たまらず好きです。

こうした白磁は、本国、韓国・ソウルの骨董街に行っても、今や買いあさられた後。
韓国に残る「名品」は、国宝級か個人所蔵。そのほかは、「このクオリティでこのお値段?」と
いうものばかり。実際、ソウルは、経済発展と共に、こうした器を始め、李朝の物は、
高騰の一途を辿っているらしいですね。掘り出し物のあった、青山二郎氏華やかりし頃に、
こうした趣味&経済があれば...と、羨ましくもあり、諦めやすくもあり...な私です。

こちらの白磁は、どちらで買い求められたのでしょうか。
(あ、あまりにも単刀直入な質問で、スミマセン....失礼承知で気になり...)
先日、ひょんなことから、江戸時代の伊万里の白磁の花器を購入しました。
李朝時代の白磁が日本に渡り、日本の文化に影響を及ぼしたのを感じる品です。
いずれ、私のブログで紹介しようと思っております。
ぜひ、ご覧いただけたらと願っております。
陶磁器には「遠い」無知ですので、いろいろ教えていただけたら、うれしいです。

事後報告ですが、リンクさせていただきました。
Commented by penelope33 at 2008-04-02 11:15
Balleta_la_reieさん、コメントとリンクをいただき、ありがとうございます。
そうですね、韓国本国ではよいものは恐ろしく高いと思います。
一度わたしの露店でも各国のディーラーが傷物の白磁塩笥を買っていって、
「これを何倍の値段で売るんだろう……?」と思ったことがあります。

詳しい仕入元は明かせませんが、私は国内の業者さんから仕入れております。
李朝のよいものをお求めになるには、
日本の信頼できる骨董屋さんに行かれるのが一番という気がします
(あ、“当店”も中期の名品はありませんが、傷物でも真贋は確かですので)。
Commented by penelope33 at 2008-04-02 11:16

Balleta_la_reieさんの買われた伊万里の白磁、ぜひ拝見したいですね。
もともと伊万里=有田磁器の発祥は、秀吉の朝鮮出兵の際に
連れてこられた朝鮮の陶工たちによるものなんですよ。
以下のページなどで簡単にまとめられておりますので、よろしかったらお目通しくださいませ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/有田焼

同様のルーツを持つ長崎の「平戸焼」白磁について
このブログでも触れていますので、よろしかったらこちらもどうぞ(“付焼刃”ですが……)。
http://seirentei.exblog.jp/7032647/#7032647_1

私もBalleta_la_reieさんと同世代で、'90年代の“アジアンブーム”が
アジアの古いものに目を向けるきっかけだったんです。
http://seirentei.exblog.jp/6690918/
美しいものを買い続けるために
ムボーにもこの世界に足を踏み入れてしまったバカ者です。^^;

私もリンクさせていただきました。
今後ともどうぞ宜しくお願いいたします。


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