2007年 12月 06日

ハイ・スツールとカメラ

Yahoo!オークションの動向を今よりも熱心にチェックしていた頃、
背の高いスツールを男性が落札していくのをよく見かけた。
そんなわけでこのスツールを出品したときは、
ちょっと「オトコのアイテム」的な雰囲気を出そうと思い、
あしらうグリーンもアイビーなどではなく直線的なテーブルヤシにして、
お気に入りの革ケース付きのカメラと一緒に収めた。

結局落札したのは女性だったのだけど……。

カメラは、中古カメラ屋で衝動買いした
フォクトレンダーVoigtländer VITO BL(Skopar 50mm F2.8)。

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上の画像は、
同じく衝動買いしたローライRollei 35 LED(Triotar 40mm F3.5)と。

古い品々をデジタルカメラで撮るようになったのは、
小さな家具など露店に手持ちで持って行けないものを
Yahoo!オークションに出品しようと思ったのがきっかけ。
必要にせまられてのことだった。

それまでの私は、
街を歩いたり旅行に出かけたりしたときに普通の銀塩カメラで写真を撮っても、
下手なプリントが何枚も上がってくるのに自己嫌悪するばかりだった。
学生時代に写真を多少 “かじった” というのに。

美術系の短大の2年次、短期の課外写真講座を受けたことがある。
兄のお古のContaxで道行く人をつかまえて撮った「面接ポートレイト」を
講師から褒められたのに気をよくして、ひと夏大学内の暗室に入り浸った。
しかしその後は何を撮ったらいいのかわからず、
次に提出した捨て猫たちの写真を酷評され、次第に “写真熱” がしぼんでいった。

運良く4年制学部に編入した後、
3年次の写真のコース(スタジオ撮影の基礎)を取ろうと思ったのだが、
通常2年次に1年かけてみっちり学ぶ写真の基礎講座を履修していないという理由で
はねられてしまった。

カメラという小さな機械に対するフェティッシュな感情もあり、
うまく、もしくは愉しく撮れるようになりたいとずっと思っていたのだけど、
写真をやるのは結構お金がかかることなので、
乏しいお金を下手な写真に費やして落ち込むより、
CDや本や映画に費やすほうがいいという気になっていった。

カメラを買うことで満足してろくに写真を撮らないオヤジ・コレクターを
「イヤだねぇ」と思いながら、気がつくと自分も同類になっていたのである。

オークション出品のため、
ZOOが何かの懸賞で当てたオリンパスμ-10の解説書を読むことから始め、
いわゆる “ブツ撮り” をするようになった。
何枚も撮った写真をすぐにMacのディスプレイで見て、
自分でダメ出しをしてどんどん捨てて、
使えるものがなければ即再撮影できるというのが、すごく便利でありがたかった。
写真を撮るのはヘタだったが、写真の良し悪しはなんとなくわかったのだ。
この「ひとりカメラマン&編集者」経験を積み重ねて、
まあいまだに未熟でツメは甘いのだが、こんなブログを開設するに至った。

それと、やはり自分の好きな “古いモノ” を撮るというのがいい。

人の、それもどちらかというと女性の顔を撮るのが好きだったので、
自分が男であったら彼女やカミさんを撮れたのにとよく思ったものだ。
でも、知らない人をつかまえて被写体にするのはなかなかエネルギーが必要だし、
第一ある程度うまくなってからじゃないと声もかけづらい。

気に入って買った古いモノたちの
「ここがこんなにいいんですよ!」ということをなんとか伝えたいと思う気持ちが、
少しづつ写真に表れるようになってきたと思う。
よく冗談で、
「篠山紀信やアラーキーが『イイネ、イイネー!』と言いながら女性を撮るように、
自分も古いモノたちを『イイネ、イイネー!』と思いながら撮るんです」と言っている。
どんなにモタモタ撮っても、モノは文句を言わずじっとしていてくれるし。

自然光の中、モノをとりまく空気まで写っているような写真と、
白や黒の背景に、硬い質感のモノがくっきり浮かび上がるような写真。
マズシイ住宅事情により、真逆なこの2点の間を揺れ動きながら、日々格闘している。
相変わらずちっちゃいμ-10で。

by penelope33 | 2007-12-06 21:11 | 古いもの・古びたもの | Comments(14)
Commented by Awavi。 at 2007-12-07 22:54 x
イイネー!ってブツ取りする気持ちよくわかります。
僕も猫や植物撮る時そんな感じ!笑
人物写真も嫌いじゃないのだけど、
目線が交差しているようなポートレートは苦手です。
人間撮るなら横顔やなにかに没頭してる姿、好きです。

ローライ35かわいいですねー。
以前から気になるカメラではあるのだけど、
店で手に取らせていただいて、
思っていたよりも華奢なのに驚いて・・いまだ縁のないカメラです。
Commented by penelope33 at 2007-12-08 02:16
Awaviさんの写真、
静謐で端正な中にも「イイネー!」が伝わってきます。

ローライ35、こんなちっちゃいのに、
シャッター音と押す感触がすごくいい!
最近構ってやれなくて宝の持ち腐れ状態ですが……。
Commented by いしころ at 2007-12-10 13:19 x
ポラを一年撮りまくり、今度はやはり
昔から憧れていたフィルムのマニュアル一眼を本格的に始めようという気持ちがふくらんでいます。
写真のような格好良い皮のケースも素敵・・・確かに男性的ですね
ホウ・・・ (ため息)
まだ、買うカメラの種類も決まっていませんが・・・;
Commented by penelope33 at 2007-12-10 15:24
いしころさん、こんにちは。
せっかく知人から SX-70をいただいたのに、
フィルム代を惜しんであまり活用していないワタシです。^^;

上のフォクトレンダー、実は私も最初このケースに惹かれたんです。
写りはもちろん大事ですけど、評価の定まったクラシックカメラの場合、
形や操作感から入るのもアリかなーと。

“店”で売っているハーフサイズカメラも、
若い方(特に女性)がデザインに惹かれて手に取って、
それから作例写真集を見て安心して買う……というのがほとんどです。
Commented by いしころ at 2007-12-10 21:01 x
やっぱり、形も大事ですよね〜!!
私みたいに、写りよりも撮ることが大事な人は、
撮ってて楽しいほうがいいですよね〜
皮が使い込まれていそうでホレボレします。

帰り道、さっそく中古のカメラを観てきました。
電池が今売っていないので使えないものとかもありました・・・
格好は大事だけど使えることも大事ですね;
ハーフカメラも、格好良いものばかりですね!友人が持っていました。
クラシックカメラは、電池なしのものが多かったりするのですか?
Commented by penelope33 at 2007-12-10 22:34
そうですねー、純粋なコレクターではないわけですから、
やっぱり基本的には使えてナンボですよねー。^^

電池がいらないカメラとしては、'50年頃から'60年代後半くらいまで
多用された、太陽光で露出計が動く「セレン式露出計」(「セレン式
電池」とも言います)を内蔵しているものがあります。
“セレン”とか“セレン式”とかで検索してみてください。
ハーフサイズ・カメラの生産された時期と重なるので、
オリンパス・ペンを始め、ハーフ機には非常に多いです。
電池交換の必要がない、寒冷地に強い(オーロラ見学に行ったフツー
の旅行客の方が「唯一使えたカメラ」なんて書いていました)、という
利点と、非常に弱い力しかなくて、実際には撮影できる場所でもちょっと
暗いと作動しないといった弱点があります。

代替電池についてはこんなサイトもありましたので、
ほしいと思ったカメラが「もう電池がないから使えない」と言われても、
一応裏ワザがないか調べてみるといいかもしれませんね。
http://homepage2.nifty.com/mitsume/data.htm

あと、露出計を使うようにすれば、どんなクラカメも怖くなくなるかも
(私はそこまでやりませんでしたけど……)。
Commented by いしころ at 2007-12-11 21:02 x
たくさん詳しくありがとうございます!
いろいろ調べていたら、比較的新しいマニュアル一眼(80年代以降くらい)も、電池がきれても撮影はできるというものがあるようでした。
その機種も、露出計部分に電池が使われるだけでしたので、
やはり露出計をひとつ持っていれば使えますね!
電池がいらない、というシンプルな構造もなんだか格好良く見えてきます・・
電池も、代わりがきくのですね
先日観たカメラは、たいそう味のある説明書に
マンガン水銀のなんちゃら電池がどうの・・・と書いてあったので、
「水銀!」と思ったので。
Commented by penelope33 at 2007-12-12 00:02
ミノルタはデザインがいいものが多いらしいですね。
お気に入りがみつかったらブログでお披露目してくださいねー。
Commented by いしころ at 2007-12-13 22:05 x
ぜひ!
今使っている、自分と同じ年のカメラもミノルタです。
中途半端にAFだったりします。家にあったものです。
修理はソニーらしいのでなんとなく躊躇してしまいますが、
ミノルタに決めたいです・・・・
Commented by penelope33 at 2007-12-13 22:22
同い年のカメラ!それは愛着がわきますね〜。
そうそう、いしころさんのブログのURLもぜひ入力してくださいね。
Commented by sa55t at 2007-12-14 07:56
penelope33さん
今晩は、あ、おはようございます。この記事は見落としていました。
そしてあなたはそういう背景だったのですね。
最初に中国の古い椅子の記事に行ったとき、そして東京スタイルの記事が書いてあったのを見たとき、こう、ぴーんと来ました。
そしてリンクを貼らせていただきました。
と言うことで、どうもぴーんと来る写真が多いなと思えば、なあんだちゃんと写真をやってい方なのですね。道理でね物取りとライティング(光の使い方ね)お上手です。暗室もご存じだし、安心してお話が出来る方でありました。
アラントレーシー
Commented by penelope33 at 2007-12-14 13:01
sa55tさんって、アラン・トレーシーhttp://www.tbjapan.com/ir/alan/index.html だったんですか!?(関根勤に似てますよね……)

上記のように、“写真をやった”といってもひと夏だけなんですよ。
その後、ミュージックビデオのディレクターの個人事務所で
丁稚をやっていたこともあったので、
ムービー撮影の現場についたことはあるんですが。

物撮りは、私があんまり下手なので、仕事で撮影もやる相方から
ライティングの指導を受けました
(2灯のうち1灯をバックに当てる、なんていうのはそれで覚えました)。
Commented by sa55t at 2007-12-14 13:13
だって、pelolopeさんじゃないの??
http://www.tbjapan.com/ir/penelope/index.html
Commented by penelope33 at 2007-12-14 13:24
はい。車も運転手もないですけど(笑)。
……ペネロープって26歳だったのか〜。


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