青蓮亭日記

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2007年 12月 09日

イギリスのブリキのジャグ

イギリス製のブリキのジャグ(jug)。
1930年代くらいの、おそらく “HOT WATER”ジャグではないかと思う。
シブすぎて売るのが難しそうだと思いつつ、こういったフォルムはなかなかないので購入。

ガロン(gallon=gal)という単位は英国式と米国式で異なり、
英国式は1gal=約4.546リットル、米国式は約3.785リットル。
水を入れて内容量を計ったところ約2.275リットルだったので、
エンボス文字の表記が英国式であることがわかった。
実際に液体を入れてみるとかなり重くなるのだが、
取っ手の厚みのある部分が実に持ちやすくなっていてナルホドと思う。

(幅:約27cm・高さ:約23cm・底径:約17.5cm/御売約)

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イギリスのブリキのジャグ_f0151592_18251273.jpg


ところで、「jug」という言葉には俗語で「刑務所」という意味がある。
なんとなく脱獄ものの映画を思い浮かべてみる……。

『大いなる幻影』('37/監督:ジャン・ルノワール)、
『抵抗(レジスタンス) ー死刑囚の手記よりー』('56/監督:ロベール・ブレッソン)、
『穴』('60/監督:ジャック・ベッケル)、
『大脱走』('63/監督:ジョン・スタージェス)、
『パピヨン』('73/フランクリン・J・シャフナー)、
『アルカトラズからの脱出』('79/監督:ドン・シーゲル)、
『網走番外地シリーズ』('65〜/監督:石井輝男 他)などなど。

脱獄ものではないのだけど、最近ようやくDVDで観ることができた、
名作の誉れ高い『博奕打ち 総長賭博』('68/監督:山下耕作)に、
組の跡目を決める話し合いの中で、鶴田浩二が推す兄弟分の若山富三郎について、
終始口をとがらせているチョビヒゲの金子信雄が
「いくら組のためにやったとはいえ、自分が『寄場(よせば=刑務所のこと)』に入るような奴に
跡目を継ぐ資格はない」と言う場面があり、
「寄場」を英訳するとしたら「jug」になるのかな……などと考える。

脱線ついでに書き添えると、
映画評論家の蓮實重彦氏が東京大学総長に就任されたとき、
この『博奕打ち 総長賭博』のポスターに手を加えた
こんな画像(スタアNo.2)がネット上で話題になった。

この写真のような「キッチン・ジャンク」は、
カントリー好きな女性に向けてお花でも飾って
オシャレにかわいい演出をしなければいけないのに、
素っ気ない写真とヤクザ映画の話題というのはいかがなものかと思いつつ……。

まあ、こういうキャラなんです。

イギリスのブリキのジャグ_f0151592_18252636.jpg


そうそう、確か『パリ・テキサス』のサントラに収められている、
ハリー・ディーン・スタントンがナスターシャ・キンスキーに向かって言うセリフの中に
「……jugged in」という言葉が入っていたような気がする。
英語の勉強もしないとなぁ……。

by penelope33 | 2007-12-09 13:53 | 古いもの・古びたもの | Comments(0)
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