青蓮亭日記

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2007年 12月 27日

キウイとデイジー

義兄からたくさん送られてきたキウイが残り少なくなってきた。

見慣れたはずなのに、包丁を入れるたびに切り口をじいっと見てしまうキウイ。
白い芯から放射状に広がる、透き通ったグリーン、小さな黒い種のつぶつぶ。
緑色の果肉に太陽をぎゅっと詰め込んだような断面を見ると、
毛むくじゃらの外見とともに、いつも自然の造化の不思議さを感じる。

ウチにある数少ない器のどれが一番似合うかと考えて、
柿右衛門手白磁の菊花形の向付を引っ張り出してみた。
白磁とはいえ形が “雄弁” なので盛る料理を選ぶ器だと思うが、
高級料亭のような凝った料理でなくても、こんな色鮮やかな食材であれば器に負けない。

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キウイを入れた白い向付はなんとなくデイジー(=雛菊)を思わせる。
「デイジー(Daisy)」という名前は、
“Day's Eye(太陽の目)” という言葉からつけられたとか。

映画『2001年宇宙の旅』('68/監督:スタンリー・キューブリック)で、
人間に反乱を起こしたコンピューターのHAL9000が、
ボーマン船長に解体されながら「デイジー、デイジー」と歌うシーンがある
(この映画で一番好きなシーンだ)。

これは、1892年にイギリスのソングライターの
ハリー・ダクレ (Harry Dacre) がつくった"Daisy Bell (デイジー・ベル) " 、
別名"Bicycle Built for Two (二人乗りの自転車) " という歌の一節。

ダクレが初めてアメリカに渡ったとき、
税関で、彼が持っていた自転車にも税金がかけられた。
その話を聞いた彼の友人の
「2人乗りの自転車 (a Bicycle Built for Two) じゃなくてよかったじゃないか。
2人分の税金を取られるところだったね」という言葉が、タイトルの由来である。

『2001年〜』におけるコンピューター「HAL」が、
「IBM」のそれぞれの文字のひとつ前のアルファベットであることはよく知られている。
この曲は、実際にアメリカのAT&Tベル研究所の研究者が
IBMコンピューターに初めて教えて歌わせた曲だったという。

ちなみに私は、
英語の「-er」の日本語表記には拗音「ー」をつけないという
業界の決まりごとは承知しているが、
「コンピュータ」という表記が嫌いなので「コンピューター」と書くことにしている。

AT&Tベル研究所のマックス・マシューズ(Max Mathews)他の研究者による
「コンピューター音楽」への取り組みは、このページに詳しい。
最後の部分でこの映画について触れている。

"Bicycle Built for Two "は、このCDなどで聴くことができる。

by penelope33 | 2007-12-27 17:41 | つれづれ | Comments(6)
Commented by sa55t at 2007-12-27 18:57
ねね、IBMって何の略だかご存知?
Commented by カルロスゴン at 2007-12-27 22:44 x
ガンダムに出てくる「ハロ」は「HAL」をモチーフにしているらしい。
どうでもいいですネ、スミマセン。

# sa55tさんのオチに期待します(笑)。
Commented by penelope33 at 2007-12-27 23:49
IBM = International Business Machines (国際事務用機器)説しか
知りませんが、他に何かオチがあるんでしょうか?(わくわく……)
Commented by sa55t at 2007-12-28 01:54
International Business Machines でおしまいです。
ただ、ダサイかと・・・・・。
ではFBIはって、もうやめとこ。
Commented by penelope33 at 2007-12-28 02:29
FEDERAL BUREAU OF INVECTIVE(連邦毒舌局)!

……『空飛ぶモンティ・パイソン』 (Monty Python's Flying Circus) の
「バカ歩き省 (Ministry of Silly Walk)」を思い出しました。
Commented by penelope33 at 2007-12-28 02:51
あ、カルロスゴンさん、レスを書いたつもりでしたが消えてました。
スミマセン……。
「ハロ」は知りませんでした。ガンダムには疎いんです。
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