青蓮亭日記

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2008年 02月 07日

不純な白

戦時中の白いやきものたち。
業者や骨董市によく行かれる方にはさほど珍しいものではないだろうが、
まっさらな目で見たら案外新鮮なものかもしれないと、ふと思い出した。

実際、グリーンのラインや星のついた軍隊用の食器などは、
歴史的背景を知らない若いヒトたちには
「カワイイ」アイテムとして人気があるとも聞く。

鍋釜からお寺の鐘まで、ありとあらゆる金属を国に供出した戦時下、
さまざまな金属製品が陶器でつくられるようになった。
いわゆる「代用品」である。

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アップで撮っているので巨大に見えるが、このスプーンは長さ13cm程。
白磁とはいえ、おそらく焼成温度や陶土の精製度が低く、不純物も多いようで、
少しだけ緑がかったモカクリームのような、なんともいえない色合いをしている。
柄の表側にはうっすらと唐草のような模様が見える(売約済)。

そういえば、フツーの雑貨好きの姉がこのスプーンを見て、
「カワイイ!欲しい!」と言っていたのを思い出した。

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上の画像は同じく代用品の水筒。
幅8.5cm・厚さ5cm・高さ18.5cm程。
淡く緑がかった灰色で、全体に灰色〜褐色の細かい点々が見られる(売約済)。

こうした“粗悪品”の“不純な白”も、
“白”という色のさまざまな様相のひとつには違いない。
じっと見つめるとなかなか味わい深いものがある。

戦時中から終戦直後まで生産された
「統制陶器」に関する研究の成果をまとめられた素晴らしいブログはこちら

上記のスプーンと同様のものがこのページで紹介されている。

by penelope33 | 2008-02-07 22:47 | 古いもの・古びたもの | Comments(4)
Commented by びっき☆ at 2008-02-08 00:25 x
これは…うちの奥さんのツボですね~
最近は骨董市へ一緒に行く様になりました。
それと言うのも、スプーンを探す為みたいです。最近スプーンに目覚めてます。
penelopeさんは、いろんなモノを上手に発掘してきますね(^^♪
Commented by penelope33 at 2008-02-08 01:02
スプーンは使って楽しめるし、
いくつあっても場所を取らないしいいですよねー
……って、かさばるものをたくさんお持ちのびっき☆さんへのあてつけじゃないですよ(笑)。

年配の骨董業者さんから、
「雑貨なんてやめて骨董に専念すれば?」なんて言われたこともありますけど、
私は、骨董も古道具も雑貨も同じように真剣に選んで売りたいんですよ。
露店ですしね。いろいろあったほうが楽しいでしょ? ^^
Commented by Awavi。 at 2008-02-08 22:20 x
番号の入ってる陶器、見覚えがあります。
統制陶器っていうんですね〜勉強になりました。
番号を手がかりにルーツを辿れるのも楽しそうです。
Commented by penelope33 at 2008-02-08 22:43
普段は古いモノに接するとき、
感覚的・審美的な見かたをすることが圧倒的に多いのですが、
こういった研究に触れると、
歴史的・社会学的な背景も勉強しなくちゃなぁ……と痛感します。


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