2008年 02月 08日

紅い紙の繭皿

骨董市ではよく直径30cm程の木製の「繭皿」を見かけるが、
これは昨日の白磁の品々と同様の「代用品」。
厚紙に、耐久性を高めるための漆が塗られている。

いわゆる「ABCD包囲網」による経済封鎖を受けながら開戦した日本は、
戦局の悪化に伴い、資材、原材料、燃料、食料と、あらゆる物資が不足した。
こういった品を見ると、木材も同様であったのだと実感する。

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私と同じ美術系の学校の先輩にあたる業者さんが、
この紙皿を見て「カルトンだね」と言った。
そのときは寒さのために頭がまわらなかったのだけど、
家に帰ってからその日のことを反芻しているうちに
「カルトン?あのデッサンのときに使った画板?」と思い出す。

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広辞苑によると、

「カルトン【carton(フランス)】
1.油絵を描くための厚手のボール紙。
2.原画大の厚紙の上に描いた素描的な画稿。これを壁面にあてて図様を転写し、壁画の下図とする。
3.大形のボール紙でつくった紙はさみ。デッサンなどを入れるのに用いる。
3.銀行・商店などで支払金・釣銭などを入れる盆。」

……とあった。

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日本の伝統的な工法というよりは、明治以降に伝わった西洋の工法?
……と思いきや、その起源は中国であると、こちらのブログで知った。

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漆の茜色に代用品らしからぬ華やぎがあり、
皺やひび、表面が剥がれて黒っぽくなったところなど、
変化に富んだ表情が見飽きない。

木の繭皿より希少なものだという。

(径:約30cm・高さ:約2.5cm/御売約)

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by penelope33 | 2008-02-08 17:19 | 古いもの・古びたもの | Comments(0)


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