青蓮亭日記

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2008年 02月 09日

侘びた染付 —くらわんか—

「くらわんか」とは、
元禄時代(1688〜1704)を中心に文化・文政(1804〜30)頃まで、
大阪の枚方付近の淀川を通う「くらわんか舟」で用いられた器というのが由来。
「飯くらわんか、酒くらわんか」という呼び声からこの名がついたとか。

実際は「くらわんか舟」で使われていたものに限らず、
灰色がかった素地、分厚いつくりで素朴な絵つけの染付磁器全般の総称になっている。

これは形も絵も珍しい猪口(口径:約8.5cm・高さ:約5.5cm/御売約)。

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伊万里(有田→「くらわんか手」)に限らず、
波佐見焼(長崎)、砥部焼(愛媛)、古曾部焼(大阪)など、産地はさまざま。

素焼きの工程を省き、
陰干し後に直に分厚い釉薬をかける「生掛け(なまがけ)」の技法が共通することから、
オークションで「くらわんか手」を
「初期伊万里」と表記しているケースをよく見かける。

初期伊万里というのは、元和・寛永から明暦頃(1615〜1657)につくられたもので、
当時は製法が未発達であったがゆえの「生掛け」だった。
くらわんか手とは似て非なるもの。

こちらはよくあるタイプ。仏飯器だったもの
(口径:約9.5cm・高さ:約5cm/御売約)。

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これは私物。
最近一番出番の多い盃(口径:約7cm・高さ:約4.5cm)。

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骨董に興味を持ち始めた頃と比べると、
膾皿(なますざら)なども、より素朴で侘びたものに目が向くようになってきた。

一方で、この日記でも書いたように、モダンな意匠のものも好きだ。
共通しているのは、あまりきっちり書き込まれていないことや、
具象的な題材でも半ば抽象化されているといったことか。

好みというのは、時を経ても変わらない部分と微妙に変わっていく部分があるものだ。
そういうところは、骨董も服や音楽などと同じ。

だから特に若い方が骨董を買う場合は(業者の言うことも一応聞きつつ)、
「その品を日々楽しく使う自分を思い浮かべることができるか」
というのをポイントにするといいと思う。
よく使えば愛着もわくし、
例え飽きがきても「高かったのにもったいない」などと思わずに潔く手放せる。

「いつか着る機会もあるだろう」と思って買った高い服を、
「もったいない」と箪笥の肥やし(←死語?)にしたことはありませんか?
1万円の蕎麦猪口も、年に250日、4年使えば1日10円……って、
保険の勧誘みたいですが。

by penelope33 | 2008-02-09 20:54 | 古いもの・古びたもの | Comments(0)
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