青蓮亭日記

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2008年 03月 01日

オランダのスリップウェア皿

これは19世紀・オランダのスリップウェア(Slipware)の皿。
鮮やかなオレンジ色の釉とクリーム色の渦巻模様がとびきりモダンで、
目の覚めるような思い。
ひとめぼれした。

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「スリップウェア」とは、素地にドロリとした「スリップ」(化粧土)をかけて文様を描き、
鉛を含んだ釉薬をほどこして焼いた陶器のこと。
日本では「イッチン」と呼ばれる技法である。
詳しくはこちらのページを御覧ください。

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ヨーロッパでは、スリップウェアの中でも特に
イギリスで17世紀につくられた装飾的な飾り皿(=トフトウェア)が高く評価されているが、
民藝運動の創始者である柳宗悦は、
同じイギリスで18世紀にパイ皿として使用されていた縞や抽象文の雑器を高く評価し、
1930年に15枚程日本に持ち帰り、紹介した。
柳の持ち帰った品々は、現在では東京・駒場の日本民藝館に収蔵されている。

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そして1981年、東京・目白の「古道具 坂田」の店主・坂田和實さんが
「英国スリップウェアー展」を開き、
民藝に関心のある人々の間でいわば伝説的な存在であった「スリップウェア」を、
現代の日本で初めて“集めて売った”のだそうだ。

そんなわけで一般的には「スリップウェア」といえばイギリスのものが有名だが、
オランダ人は「こっちのほうが古いのに」とブーブー言っているとか。

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この皿は日本のコレクターが持っていたもので、
その方は「18世紀・イギリス」のものと思っていたとのこと。
私自身、正直なところ知識が追いつかない部分があったので、
いろいろな方に見ていただき、
最終的に知人を介してオランダ人の業者に鑑定してもらった。
18世紀のものを思わせるすばらしい釉調だが、
器形から見て19世紀のものであるとのこと。
観賞用ではなく実際に使われていたものだというのがうれしい。

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柳〜坂田さん系の美意識からははずれた品かもしれないが、
きっとどこかで正当に評価してくださる方がいると信じている。

(直径:約23.5cm・高さ:約5cm/在庫アリ)

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by penelope33 | 2008-03-01 20:27 | 古いもの・古びたもの | Comments(5)
Commented by Awavi。 at 2008-03-05 22:22 x
コレ好きです〜、妙な魅力ありますね。
使い道は思い付きませんが、
グルグル回してトリップしたりして・・観賞用かな?
Commented by penelope33 at 2008-03-05 23:56
むかしむかしは肉料理なんかをドーンと盛りつけていたのかもしれませんが、
確かに現代では何を載せたらいいのか……。
そういう意味では「器」というより「オブジェ」なのかもしれません。
クルクル〜。@@
Commented at 2009-12-15 18:39 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2009-12-15 21:05 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by penelope33 at 2009-12-15 23:00
> 鍵コメント at 2009-12-15 21:05 様

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