青蓮亭日記

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2008年 03月 21日

古染付なずな文盃

「古染付」とは、広義では、中国明代末(天啓1621〜27頃)に
景徳鎮の民窯で焼かれた簡略な絵柄の染付磁器のこと。
狭義では、特に日本の茶人が注文してつくらせたものを指す。

古染付は「虫食い」といって小さなホツ(=欠け)がたくさんあるものが多い。
中国人は器の扱いが荒いからとか、砂で洗っていたからとも聞く。

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画像の盃は、本来は煎茶碗だと思う。
このような文様を「なずな文」という。初期伊万里にも同様の文様が見られる
(古染付のほうが兄貴分で、同時代の有田の陶工たちがこれを真似たのである)。

しかし、これほど可憐で楚々としたなずな文はまずないだろう。
簡素でありながら洗練された筆致。
器形も美しい。

個人的には非常に好きな品なのだが、今売るのはなかなか難しいようで……。

(直径:約7.3cm・高さ:約4cm/売約済)

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骨董の世界にも流行り廃りがあって、
最近買った昭和53年('78年)初版の『The 骨董 第2集 《特集 染付のやきもの 他》』
というムック(読売新聞社 刊)を見ると、
古伊万里よりもむしろ古染付の品々のほうが豊富に掲載されていて興味深い。
この頃は古染付が人気の的だったのだ。

今人気の染付のやきものといえば、なんといっても初期伊万里の酒器だろう。

以下は象徴的なエピソード。
ある日の骨董市で、年配の男性4人連れがこの盃を見て、
「◯◯さん、これ、いいよ。安いよ。買いなよ」などと話していたのだが、
古染付とわかると、
「なんだ、初期伊万里かと思ったよ」とガッカリした様子。

私としては、大きな直しやひっつきのある初期伊万里盃をありがたがるよりも、
ものの本質的な美しさを評価してもらいたいところだけれど、
所詮ゴマメの歯ぎしりか……。

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ところで「なずな」とは俗にいう「ペンペン草」。
小さなハート型の実のついた柄を引き降ろし、
振り回して“カナカナカナ”と鳴らす遊びを知っているのは、
どのくらいの世代までなのだろうか?

by penelope33 | 2008-03-21 01:01 | 古いもの・古びたもの | Comments(6)
Commented by Awavi。 at 2008-03-21 22:47 x
“なずな茶碗”かわいいじゃないですか〜。
ペネロープさんの審美眼。
そこらの雑誌のスタイリストより、ずっとセンス良いです。
(ペネさんが、歩いたあとにはペンペン草も生えない!?)

ペンペン草の遊び、僕は知ってますよ。
おばあちゃん子だったので、祖母に教わったのかも知れませんね。
Commented by penelope33 at 2008-03-22 00:01
かわいいでしょ?

ところで、私が歩いたあとにはペンペン草も生えないって、ホントにそうなんですよ。
某社はレーベルのみ残して解散、某流通系映画館は身売り、
そして4年前まで勤めていた某映画製作会社もこの春消滅することになりました……。^^;

Awavi。さんはペンペン草の遊び、知っててトーゼンという感じがします(笑)。
Commented at 2008-05-25 13:50 x
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Commented at 2008-06-08 10:27 x
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Commented at 2008-06-08 11:40 x
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Commented by penelope33 at 2008-06-08 15:58
無事に届いてなによりです。
お電話でお話しそびれましたが、実はあのお品、
S川さんからある方を経由して私のところにきたものなんですよ(笑)。

好きな品は写真を撮っておくと、
売れてしまっても後から思い出すことができます。
「なずな文盃」、やっとヨメに出せてうれしいです(笑)。
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