2008年 07月 07日
銀鍍金(めっき)の小皿。 「シルバープレート」と言い換えたほうが聞こえがいいかしら。 鍍金が剥げた地の部分はシャンパンゴールドのような色をしている。 一見「サビサビのジャンク品」に見えるけれど、 菊の花びらのような鎬(しのぎ)ばかりでなく、周囲はさりげなく輪花に加工されていて、 上手の菓子皿だったことがうかがえる。 庭のヘビイチゴを添えて撮ってみた。 裏にある刻印は「牧野調黎」と読める。 「調黎」というのは聞き慣れない言葉だが、 「黎」という文字は「くろがね(のように黒い)」という意味があるから、 「金属を加工する」といった意味合いだと思う。 調べてみると、東京・墨田区に 1923(大正12)年創業の牧野鍍金工業所という鍍金加工会社があるが、 関係があるのだろうか……? 入手したときのまま手を加えていない。 軽く洗ってこのまま使うのもいいし、磨いて光沢を出せばまた違った雰囲気になるだろう。 (戦前/径:約15cm・高さ:1.1〜1.2cm/5客組/御売約) 東京都鍍金工業組合のホームページはとても内容が充実しているので、 御興味とお時間のある方はこちらをどうぞ。 上記のサイトを見ると、鍍金技術とはそもそも「錬金術」であったことがわかる。 “There'a a lady who's sure all that glitter is gold” (光り輝くものが全て黄金であると信じる女がいた) ……というフレーズで始まる、レッド・ツェッペリンの(というかロックの)スタンダード曲 『Stairway to Heaven(天国への階段)』を、ふと思い出した。 “自分史上2番目にクラかった” 13歳の頃に繰り返し繰り返し聴いた曲。 歌詞を書いたのはヴォーカルのロバート・プラントだが、 リーダーでギタリストのジミー・ペイジは、 その昔、黒魔術に傾倒しているなどとよく噂されていた。 今では過去の遺産で食いつなぐオバサンみたいなオジサンになってしまったなぁ……。 そういえば今夜は七夕なのにあいにくの曇天。 童謡の『七夕さま』の歌詞にある「のきばにゆれる」「金銀すなご」の、 「のきば」と「すなご」の意味を改めて調べてしまった夕べであることよ〜。 【追記】 後日この皿と全く同じデザインの盆を見かけた。 箱書きに、「純銀青海盆(せいかいぼん) 一鶴斎」とあった。
by penelope33
| 2008-07-07 20:28
| 古いもの・古びたもの
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Comments(4)
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びっき☆
at 2008-07-07 23:43
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1枚と思いきや…5客揃っているのですね。
シャンパンゴールドとヘビイチゴが妙に合っている気がします。 コロナをレストアしていた時は、鍍金工場をよく探したものでした。 鍍金も錬金術になるんですか? アルケミスタですね(違いましたっけ?)
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penelope33 at 2008-07-08 01:15
「アルケミスタ」ってイタリア語とかスペイン語っぽいですね(ラテン語?)。
英語だと「alchemy」ですね。 上のサイトによれば、既に3世紀(!)には、 卑金属である銅や鉛などを金・銀のような貴金属に変成する方法と 金属着色術を70種類も示した書物があったそうです。 純金や純銀は高価ですしヤワですから、 表面は金や銀の光沢を持ち、中身はもっと安価で丈夫な金属であれば実用的ですよね。 鍍金は、高価な金や銀を水増しする方法として発見され、 やがて金や銀の美しさを大衆化する方法として普及したようですよ。
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garoubleu at 2008-07-09 02:02
penelopeさん!
素敵ですっ~3 陳腐な女の願望ですがケーキを乗せてみたいです♪ 表面をチョコで覆ったガトーショコラなんかを・・・・。 HP見ました! 私も3世紀というところで驚きました! メッキにも色々な種類があるのですねぇ~。 それにしても5枚揃っていると壮観です! こういうの好きなんですよねぇ~。 溜息です。いつも・・・。↓のカゴにもOH!と思ったのですが ↑の方が更に好みでした!!ふぅ~3
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penelope33 at 2008-07-09 02:27
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古道具屋「ロータス・ブルー(青蓮亭)」店主のつれづれ。家族は映像ディレクターの相方ZOO(2021年9月13日、横行結腸がん+肝転移により58歳で逝去)とキジトラ猫のヤマコ(♀/2022年9月23日、16歳で他界)。ブログ主は、膠原病類縁疾患の『シェーグレン症候群』のため療養中です。 by 青蓮亭 カレンダー
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