青蓮亭日記

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2008年 08月 12日

THE VERVE @ SUMMER SONIC 2008

今日は「夏休みの宿題の感想文」みたいなものなので、
ロック・ミュージックに御興味のない方はどうかスルーしてください……。

古物の仕入れ以外ではほとんど “プチ・ひきこもり” みたいな日々をおくっている私だけど、
9日(土)、「SUMMER SONIC 2008」(以下サマソニ)という “夏フェス”
(夏に行われるさまざまなアーティストが参加する音楽フェスティバル)
の東京公演の初日に行った。

THE VERVEという、'90年代のイギリスを代表するような存在でありながら、
2度も解散し、日本公演が実現しなかったグループのライヴをどうしても観たかったのである。

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元祖 “夏フェス”であるフジロックフェスティバル(@苗場)に出演した
MY BLOODY VALENTINEというバンドもとても観たかったのだが、
こちらは泊まりがけでないと行けないし、
ほとんど “サヴァイヴァル” な環境でのライヴということで、涙をのんだ。

サマソニの東京会場は、幕張メッセと千葉マリンスタジアム。
幕張メッセは去年UNDERWORLD他のイベントで行ったから、かなり遠いけどまあ大丈夫。
でもマリンスタジアムってどのくらい離れているんだろう……?

9日の参加アーティストのラインナップを見ると、
THE VERVEの他に観てみたいのは、Perfume、髭(=「ヒゲ」という日本のバンド)、
ポール・ウェラーくらい(全部御存知の方にとってはさぞミョ〜なセレクトでしょう)……。

“時の3人娘”=Perfumeは、昼過ぎ12:30からのスタートとはいえ、
相当数のファンが朝早くから集まることが予想されたので、
体力に自信のないオバサンは、当日ズルズルと家を出る時間を遅らせ、
結局午後遅く日が翳る頃に会場入りしたのだった。

Perfume目当てに朝早くから現地入りした方のレポートによると、
会場のキャパシティを超えたオーディエンスが押し寄せてかなり危険な状態になり、
たった4曲で切り上げられてしまったそうなので、無理して行かなくて正解だったみたい。

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THE VERVEは定刻の18:25、マリンスタジアムに登場。
サイケデリックなギターに導かれ、
「(幸福の)銀のスプーンを持たずに生まれ、長い間暗がりの中にいた俺にも、
今は “Music” という 確かな “光” が見える」と高らかに宣言する『THIS IS MUSIC』で、
いきなりクライマックスのような轟音の渦へ。

圧倒的なパフォーマンスと存在感を見せつけるカリスマでありながら、
20代でつくった古い曲を痛いようなリアリティを伴って歌う……。
そういった点で、今まで心の中の二大ヴォーカリストは、
モリッシーとR.E.M.のマイケル・スタイプだったのだけど、
初めて観るリチャード・アシュクロフトには、
切実なリアリティに加えてどこか鬼気迫るものがあった。
(実際、東京公演では笑顔も見せていたものの、
大阪公演では何かの理由で怒ってアコースティック・ギターを壊してしまったという)。

エモーショナルでからみつくような独特の声は、思った以上に力強くグルーヴィで、
聴く者の心をわしづかみにする。
(ときに煙草をふかしながら歌っているとは思えない程の声量!)。
そして彼が弾くアコースティック・ギターもまた深く胸にしみいるようだ。

スタンド席で高見の見物をしていた人たちがどんどん降りて来て、
いつのまにかアリーナが一杯になっていく。

THE STONE ROSESも素晴らしいバンドだったと思うけれど、
ライヴでのイアン・ブラウンのヴォーカルにはこれほどの力量はなかったはず。

PRIMAL SCREAMのサイケデリアに通じるものはあるけれど、
“ダウナー系” のボビー・ギレスビーがどんなにアグレッシヴに歌っても、
「この声」にはかなわないだろう。

OASISのノエル・ギャラガーのソング・ライティングと
リアム・ギャラガーのヴォーカルは傑出しているけれど、
私にはどうしても「ポップス」に聴こえてしまう。

「負け犬」の歌をリアリティを持って歌うRADIOHEADのトム・ヨークも、
今のリチャード・アシュクロフトの前ではおそらくかすんでしまうだろう。

思い起こすのは、THE SMITHSの解散直前のライヴを収めたアルバム『RANK』の、
荒れ狂うモリッシーのヴォーカルと一触即発のようなバンドの演奏だ。

このバンドのライヴを観るのは初めてなので過去の演奏と比較することはできないけれど、
ニック・マッケイブはギターのトラブルのせいなのか
今ひとつ調子が出ていない感じがしたが、
グルーヴの基盤をつくるサイモン・ジョーンズのベース、
重厚で正確なリズムを刻むドラムのピーター・ソールズベリーは素晴らしかった
(ちょっとツェッペリンのジョン・ボーナムを思い出した……って誉めすぎ?)。
まるで「THIS IS MUSIC !」と突きつけられているように、
ヘヴィでサイケデリックなサウンドが身体の芯に響く。

数々の名曲、美しいメロディ、琴線に触れるフレーズが、
想像もできなかったヴォルテージで歌われ、演奏されていく。

リチャード・アシュクロフトの詞は、「人生の苦さ、惨めさ、狂おしさ……
そうしたどん底の日々と、そこからの脱出への希求」をリアルに表現しており、
楽曲のクオリティが本国イギリスでは高く評価され、支持されているのだけど、
日本では、同郷で同世代のOASIS程のポピュラリティを獲得していない。

また、再結成をしたものの、
アルバム1枚と今夏のツアーの後、そのままバンドとして活動するかどうかは白紙で、
メンバー間の不和や軋轢が完全に解消したわけではないようだ。
でもそういった緊張感があの異様なほどの迫力を生んだのかもしれない。

暮れなずむ夕陽の中、新曲2曲を含めて全10曲、1時間強のライヴ。
これが最後かもしれないという思いを噛みしめつつ、単独公演を切に願うばかりだった。

THE VERVEのライヴの詳細記事はこちら

帰りは、'70年代パンク・ムーヴメントを象徴する二組のアーティスト
(ジョン・ライドン率いるSEX PISTOLSと元JAMのポール・ウェラー)のうち、
明らかに老後の資金稼ぎに何度目かの再結成をした前者ではなく、
過去を振り返ることなく現役であり続ける後者のライヴを観て締めくくった
(ジョン・ライドンは昔観たPILで打ち止めにしておこうと思ったので)。

それにしても疲れた。たるみきった体に夏フェスはつらい……。

by penelope33 | 2008-08-12 03:26 | 観る・聴く・読む | Comments(6)
Commented by michelle in CA at 2008-08-12 08:56 x
ポール・ウェラーの名前を見たら、コメントせずにはいられないでしょう。お暑うございます。ポール大先生はお元気だったでしょうか?
私の友人がロータス・ブルーのお客さんだったことが先日判明。大江戸骨董市によく顔を出してるそうですよ。これからもご贔屓にといっときましたよ。このブログも見てると思う、ふふふ。
ところでうちの近くでキム・ゴードンがボアダムズのヨシミちゃんとかとライブをやるのですが、行った方がいいかねえ?「一緒に行かない?」と誘えるようなママ友は残念ながらおりませんが。
Commented by penelope33 at 2008-08-12 11:06
ポール兄貴はすごく元気で楽しそうだった。タバコもふかしてたし(笑)。
ただこの人だけは死ぬまで体型を維持するんじゃないかと思っていたんだけど、
さすがにお腹まわりがだいぶゆったりしてましたね。
髪は銀髪に見えたけど、金髪に染めてる……。
http://www.summersonic.net/08/live_report/index.html

アンコールで『The Eton Rifles』『悪意という名の街』をやって、
すっごく盛り上がってました(私は曲名、知らなかったんだけど……^^;)。

行きたいと思うライヴ、私はもう何でもひとりで行っちゃう。今回もそうです。
キム・ゴードン×ヨシミちゃん、相変わらず仲がいいのね。
行くべきではないでしょうか?
でも、車が運転できてもやはりそちらはひとりで夜ライヴに行くのは危ないのかな……。

ウチの“店”でお買い物した方がお友達なの!?
世間は狭いのね……。今度はぜひ名乗っていただきたいです。
Commented by michelle in CA at 2008-08-13 04:21 x
ライブは山の中のおしゃれーなart centerであるので危ないとこではないのですが、
暗い夜の山道の運転が怖いかも、、。でも行ってみようかな。

友だち、何回かお宅の"店"でご購入されてるそうですよ。
音楽の趣味もかなり近いよー、なんか呼ばれるものがあったのかねえ。
Commented by penelope33 at 2008-08-13 16:27
やっぱりこんな小柄な女性が暗い夜の山道をひとりで運転していくのは心配……。

何回か? じゃあ、たぶん顔は存じ上げてるはず……。
次にお会いするのが楽しみです。
Commented by chris at 2008-08-14 21:34 x
こんにちは~。
私の周りは「ヴァーブを見に行く」と言いきっている人が多かったのですが、なぜか私はヴァーブを通ってないのでした。なぜだろう…。みんな「よかった、サイコー」としかコメントしてくれないので、ペネロープさんの感想、しみじみ心にしみました。そうか、そう言うバンドなんですね。ちゃんと聞いておけばよかったなあ、と思いました。今から後追いするべきか?

サマソニは、フジよりは覚悟が要らなくて、嬉しいです。
Commented by penelope33 at 2008-08-14 22:16
Chrisさん、ようこそ〜。
私もリアルタイムでは聴きのがしていたのですが、
CDショップで『URBAN HYMNS』が'90年代の名盤として平積みされていたのを、
ふと手に取ったのがきっかけで。
ちょっと試聴してリチャードのヴォーカルが嫌いでなければ、ぜひぜひ。

「こんな高齢で夏フェス・デビューというのもなんだかなー」と思いましたが(笑)、
行ってみてよかったと思いました……。


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