青蓮亭日記

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2008年 08月 15日

お盆は愉しい その3

夜、所用で吉祥寺に出たついでに輸入食品店やら書店やらをぶらぶらしてしまい、
帰宅したときにはZOOがオリンピック中継を観ながら
きぬかつぎとトウモロコシをふかしたのを肴にビールをのんでいた。

アジの干物やご飯もあったのだけど、もういらないというので、
急遽お手軽にアリモノで晩酌セットをつくらせてもらった。

小振りのくらわんかの膾皿(なますざら)にはお昼の残りのインゲンとコマツナのいためもの。
ZOO謹製の2点は、平安時代の常滑の山茶碗に
(いつもながら料理に何ら目新しいところがなくてスミマセン……)。

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さて、このブログを御覧になられている方には、
きっと平松洋子さんの御著書がお好きな方もいらっしゃることでしょう。

『骨董の器でいただきます』(2000年/淡交社 刊)という、
なかなかカジュアルで楽しいムックがあるのだけど、
そこに、平松さんが京都で五客揃いで買われた鎌倉時代の山茶碗を家族の特別な日に使う、
というページがある。

究極の「土モノ」ともいえる山茶碗に
フツーのお料理を盛ることに抵抗のある方は多いと思うが、
例えば枝豆やふかしたお芋など、いわば “料理未満” の食材を無造作に盛ると、
なんとも野趣があってよい感じなのである。

こういったプリミティヴな器を使ってみると、
食材や料理を生かす器とはどんなものなのか、改めて考えさせられる。

山茶碗といっても産地やつくりもさまざまだが、
これは白っぽく細かな土、縁を整えたラインが美しく残っていて、
なんとなく遥か昔に作った人の美意識を感じられるような繊細な造形。

一般的には重ね焼きのてっぺん(「天場(てんば)」と呼ぶ)の、
緑色の自然釉がかかったものが好まれるのだが、
個人的にはこういう白っぽくあっさりとした色合い・肌合いのものが好みだし、
日々の食卓で扱いやすいと思っている。

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太陽光のもと、乾いた状態だとこんな ↗ 白っぽい色。

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使う前には必ず水につけて。
そうすると俄然肌が生き生きするし、汁気があっても吸い込まない。

古伊万里の器を使う方は多いけれど、
家族や友人に「これ、平安時代のもの」と言ったときの
「えーっ、ウッソー!」「シンジラレナーイ!」というリアクションもまた一興かと。

そうそう、早く食べたかったので、お盆単独で撮るのを忘れました
(決して安いとはいえませんが、よいお盆です)。
17日に持っていく予定です。

by penelope33 | 2008-08-15 03:36 | 古いもの・古びたもの | Comments(2)
Commented by 昼寝 at 2008-08-17 18:03 x
こんにちは。
いつも拝見させてもらっておりますが、含蓄にうなるばかりでコメントできず帰ってしまっておりまして失礼してます。
なにげない素朴なお料理が器とともにうまーく昇華されていてすてきです。
このセット、いいなあ。
お盆に細かい焼き物たちをのせるのは、その中に世界が出来てしまうんですね♪楽しい。やりたいものですがうちには丸盆がない・・・

茶懐石を習ったときも、必ずお皿をはじめ、わっぱもの、漆のもの全部ぬらすように教えられました。久々思い出し・・・

今週の旅のお供に平松洋子さんの本、もっていってました。
世の中で一番おいしいのはつまみ食いである  という本。
包丁ではなくて、手で割る、手でむしるなどなど野生的な調理でした。
ワイルドになんか今晩作ってみようかしら。
Commented by penelope33 at 2008-08-17 19:08
昼寝さん、はじめまして。

お腹をすかせながら、
仕事でもないのにチマチマひとりで盛りつけから照明・撮影をやって、
「こんな料理ともいえないツマミとジミな器でママゴトみたいなことをして、
はたして意味があるんだろうか……?」などと思っておりましたので、
コメントをいただいてちょっと報われました。ありがとうございました。

茶懐石をたしなまれたとのことで、
料理に対する情熱に欠ける私に代わって何かつくっていただきたいくらいです(笑)。

平松さんの本は『〜カジュアルに骨董を楽しむ暮らし』しか持っていないのですが、
最近朝日新聞で短いエッセイを読み、切れ味のいい文章に
「うーん、さすがドゥマゴ賞……」と思いました。
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