青蓮亭日記

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2008年 09月 02日

Petrus Regout のデミタス・カップ

オランダのPetrus Regout(ペトルス・レゴー)の小さな白磁のカップ。

おそらくこのカップより時代は下るが、
スフィンクスのバックスタンプが釉薬の下にあるので、
このお皿より古いものではないかと思う。

ペトルス・レゴーについての詳細は、上記リンク先(お皿の記事)を御覧ください。

(19世紀末〜20世紀初頭/口径:8.5cm・高さ:5cm/御売約)

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中国文化の影響を受けたヨーロッパの「シノワズリ」(中国趣味)は、
東インド会社の活動が盛んであったオランダやイギリスで17世紀初頭から現れ、
18世紀半ばにピークを迎えた。
また19世紀にも、日本文化の影響=「ジャポニズム」とともに(一部では混同して)、
シノワズリのブームは続いたようだ。

この取っ手のないカップも、中国文化の影響でつくられたもの。
このサイズはコーヒー用のデミタス・カップだったとか。

Petrus Regout のデミタス・カップ_f0151592_21172324.jpg

西洋的な価値観からすれば、
磁器の白い素地はあくまでも絵柄を生かすためのものだった。

しかし、「余白の美」を知り、素材そのものの持ち味を尊ぶ日本人には、
何も描かれていない白いやきものに惹かれる心性が元々備わっているのかもしれない。

by penelope33 | 2008-09-02 21:25 | 古いもの・古びたもの | Comments(0)
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