青蓮亭日記

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2008年 09月 06日

戦前の「丸善」のカタログ

表紙のアートディレクションに目をひかれて買った、
戦前の「丸善」のPR誌『流行新相』他、商品目録。
「仙台支店」のスタンプが押されていた(昭和6年〜13年)。

表紙の写真を撮影したキャメラマンのクレジットはあるが、デザイナーの名前はわからない。
資生堂の山名文夫(やまなあやお)のように、
丸善にも“インハウス” グラフィック・デザイナーがいたのだろうか……?

(御売約)

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小津安二郎監督の戦前の作品『非常線の女』('33/昭和8)は、
アメリカのギャング映画をそのまま日本に置き換えたような作品で、
「この頃の日本にこんなモダンな世界があったんだろうか? 映画の世界だけのこと?」
と驚かされるが、
このカタログを見ると、地方都市でも
こうしたモダンな服やグッズを取り寄せていた富裕層がいたことがわかる。

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ナチス・ドイツを逃れ、スイス経由で1933年に来日・亡命した、
ドイツの建築家・都市計画家ブルーノ・タウト(Bruno Julius Florian Taut/1880-1938)
のデザインした雑貨類。

タウトは後援者の力添えで京都、仙台、高崎、熱海などに住まい、
建築の仕事に恵まれなかったことに不満を抱きながらも、
桂離宮の研究書を著すなど建築理論の構築に励み、
数多くのインテリアデザインやプロダクトデザインを手がけた。

2年間の高崎在住時には、群馬県工業試験場高崎分場に着任し、
竹、和紙、漆などの日本の素材を生かしたモダンな作品を発表。
それらの品々は、1935年に東京・銀座に開店した「ミラテス」で販売された。

同時期に東京・日本橋の丸善本店および大阪の大丸で、
「ブルーノ・タウト氏指導小工芸品展覧会」が開催されたという。

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丸善の本店・支店・営業所一覧と送料の表。
写真のような汽車で全国津々浦々に品物が運ばれた「『通販』なんだなぁー」と実感。

by penelope33 | 2008-09-06 21:54 | 古いもの・古びたもの | Comments(8)
Commented by volonta at 2008-09-06 23:40
こんばんは。
わぁ~!こういう昔のカタログ見てるだけでわくわくしますね。
この頃のデザインってマッチ箱とか何気ない物でもすごくモダンで素敵ですよね。
それにしても当時の『香水3000円』って目玉が飛び出るほど高価だったんでしょうね!すごい~。

それから、私のブログブックマークしていただきありがとうございました。
デザイン関係の仕事などめっそうも無いです(汗)
ド素人が感覚でいじっている写真です、すみません。
至って普通の主婦です(笑)

あ、右のライフログにあるGiacomelliの写真、私も好きです。
わ~い!
Commented by doubtbeat!! at 2008-09-06 23:54 x
これは素晴らしいものをおもちですね!
本当に戦前のものなのか?と思わず思ってしまうぐらいのデザインです
でも一応銭単位の表示もしてるし、「京城支店」などの記載もあるので
まちがいありませんね。いやあすごいなあおしゃれだなあ。
youtubeで非常線の女とか検索してちらっと見てしまいました。
(見たことなかったので)
Commented by garoubleu at 2008-09-07 00:09 x
peneさん、こんばんは!
丸善のこういうの知りませんでした!老舗の小冊子は素適ですね!
私は資生堂の花椿ファンでした!岸惠子さんがかなり好きなので
それもあったり・・・・広告頁も含め隅から隅まで読んでいた記憶があります!昭和50年代の話ですけど・・・・・(爆)
丸善と言えば原稿用紙<萬年筆物語>が好きです!
ヘタウマみたいな龍のイラストが描かれている!ドラゴンボールみたいな
感もありますが夏目漱石が使っていた原稿用紙【漱石山房】をもとに作られたという話です。サイズは大小あってもったいなくて使えないので・・・
ギャハハハ(≧▽≦)コピーして使っています!(どれほどのケチぶりですか)
Commented by penelope33 at 2008-09-07 01:25
> volontaさん

目の玉が飛び出るほどの値段には違いないのですが、
この頃の価格表記の「.」以降の2ケタの単位は「円」ではなくて「銭」のようですよ。

Giacomelli、お好きなんですね〜。
こんな日記もありますので、よかったらお目通しくださいね。
http://seirentei.exblog.jp/8005087/#8005087_1
Commented by penelope33 at 2008-09-07 01:32
> だうとびさん

これ、コレクションではなくて一応「仕入れ」たモノなんですけどね、^^;
骨董市では売れませんでしたねー。

そして、言われて気づいた「京城支店」!
いや〜、サラッと札幌支店の隣りに記載してしまう時代だったんですね……。
Commented by penelope33 at 2008-09-07 01:42
> garoubleuさん

ウチにも花椿、ありました。
私も見れば手に取って読んでましたけど、「隅から隅まで」ってすごいですね。
そういえば岸さんは確かエッセイを連載されていたんですよね。
小林麻美がショートカットにしたとき、美容室に花椿を持って行って、
「こんな感じにしてください」って言ったのを思い出します。w

「丸善」の原稿用紙ですか〜(いつもながら「打てば響く」ようなレスポンス!)。
コピーはおウチで? かえって高くついたりはしないでしょうか……?
Commented by とうさい at 2008-09-07 15:25 x
うーん、今見てもえらく大胆なデザイン…。斜めのレイアウトとか
帽子の地色との透かしとか、昭和10年にして野心的な印象…。
デザインは進化するというより、時代の鏡なんだなあと勉強になります。
機関車の写真に出張所一覧ガッと載せちゃうのはアレですけど(笑)。
Commented by penelope33 at 2008-09-07 23:43
「御註文の栞」のページは、文字だけですっきりまとめている号もあるのですが、
このSLの写真にはちょっとウケちゃいまして(笑)。

日本のグラフィックデザインは、戦前・戦時中の対外宣伝誌の『NIPPON』『FRONT』で
一度頂点に達するわけですが、そういったものに通じるレベルを感じますね。
今日、戦後の『岩波写真文庫』を数冊引っ張り出してそういう話をしたかったんですが、
モノが見つからない……。

お時間と御興味がありましたら、以下のページをちょっとのぞいてみてくださいまし。
http://www.kankodou.com/COLUM/natori.html
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