青蓮亭日記

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2008年 10月 03日

ベルギーのNamur窯のミルク・ジャグ

どこかペンギンを思わせる黒い水差し。
お譲りいただいた方からは、
19世紀初頭のベルギーの「ナムール窯」のものとうかがった。

ベルギーの窯場なんて全然わからないのだけど、検索していくうちにある画像にたどりついた。

「A RARE COLLECTION OF LATE 18TH CENTURY NAMUR BROWN POTTERY」

リンク先の画像のポットに施された銀細工から、
かなり身分の高い人々が使っていたことがうかがえる。
よく見ると、下の画像の品はリンク先の画像中央のミルク・ジャグと同じ形。

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口辺に釉がないので、元は蓋がついていたのだろう。
全体的にとても端正なフォルムなのに、
ハンドルだけギンビスのビスケット「アスパラバス」のように波打っている。

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リンク先の画像は一見モノクロのようにも見えるが、
拡大していくとカラー写真だとわかる。
これらのポットやジャグは「BROWN」といっても黒に近い色、
おそらくこの品とほぼ同じ色と考えてよいだろう。

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「Namur」は日本での表記は「ナミュール」とされていることが多いようだ。
ベルギーの首都ブリュッセルから南に約60km離れたところにあり、
2つの川(ムーズ川とサンブル川)の合流地点で、
ヨーロッパに残る最も大きな城塞を擁している。
18世紀の面影を残す繁華街を森と農地が囲む緑豊かな都市だという。

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ローマ時代の遺跡も残るナミュールにはこのような美術館や博物館があり、
おそらくそこではこの地方の窯業の歴史にも触れられているのではないかと思うが、
「Numur窯」というのは小さな窯の集合体なのか、
あるいは王侯貴族の「御用窯」(?)だったのか、
またこの特徴的な黒く艶やかなやきものはどのように生まれたのか……などなど、
疑問はつきない。

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ともあれ、この漆黒のジャグ、
銀の装飾を失い傷を負ってもなお、往時をしのばせる凛とした気品がある。
といっても「厳格」とか「優雅」というのとも違う、
冒頭で挙げたペンギンとかあるいは茄子とか、
そんな有機的なものを連想させる柔らかいラインが魅力。

(18世紀後半〜19世紀初頭
/幅:約12.5cm・高さ:約14cm・口径:約6.5cm《注ぎ口含まず》/売約済)

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虹彩が見える。

by penelope33 | 2008-10-03 19:56 | 古いもの・古びたもの | Comments(4)
Commented by garoubleu at 2008-10-04 13:11
peneさん、私↑好きです!
黒に近いこげ茶は素敵です。
フランスのCul noirにも似ていますね!
いつも覗いてる(買うのは極たまに・・・爆)SHOPさんに
ありましたよ。
http://bouchon-web.ocnk.net/product/1876
表面の釉薬が虹色になってました。。
素敵ですねえ!こういうののマグカップが欲しいんだけれど
中々。。
Commented by penelope33 at 2008-10-04 15:34
Cul noir、今密かに人気がありますねぇ。
このサイト、教えていただいてありがとうございます。勉強になります。

Cul noirのマグ、ここの ↓ ブログに登場していたかも。
http://k-classiques.typepad.jp/blog/

それにしても garoubleuさん、想像以上の器道楽ぶり! ^^
Commented at 2008-10-04 17:42
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by penelope33 at 2008-10-04 17:49
あ、やっぱり御存知でしたか、流石gさん(「ジーさん」はマズイか……w)。


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