青蓮亭日記

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2013年 09月 06日

初山 滋の絵葉書

連日、スープのことばかり書いて、飽き飽きしている方もおられると思うので、
もう御売約となった品だが、珍しく「紙もの」をUPしてみる。

1897年生まれの童画家・初山 滋の戦前の絵葉書。
『少女の友 繪はがき』とある。

6〜7枚あったのだけど、結構いい値段だったから3枚だけ厳選した。
基準は「現代に通ずるガーリィなモード性の高さ」。

初山 滋の絵葉書_f0151592_22551110.jpg




「これ、戦前でしょ?『ローマの休日』のヘップバーン以前だよね……」と、
一番感動したのが上の絵柄。

流れるような草花が、
“少女” というには大人っぽい若い女性(10頭身位?)にふわりとからみつく。

スカートの質感・色合いも現代的。

初山 滋の絵葉書_f0151592_22561284.jpg

こんな髪型や構図、大島弓子も描いていたような。

初山 滋の絵葉書_f0151592_2256562.jpg

ボブカットの髪はモガそのものだけれど、
この普段着と “よそ行き” の中間のような「柄」on「柄」のコーディネートが斬新
(“よそ行き” というのも “昭和の言葉” かもしれない……)。

初山 滋の絵葉書_f0151592_2372015.jpg

子どもの頃、私が持っていた数少ない絵本の中に、
おそばのくきはなぜあかい」という本があった
(絵:初山 滋/文:石井桃子)。

きれいな淡い色と自在に踊る線が、子どもだった私の心にも沁み入るようで、
「なんだか、いいなぁ。好きだなぁ」と思っていた。

今振り返って考えてみると、
日本の昔話がいくつか収められていたので、絵柄も「和」の世界には違いないのだけど、
日本画のエッセンスを取り入れたミロが描いているような、
時代も国籍も “突き抜けた感じ” があって、カッコよかった。

大人になってから、モダンでおしゃれな画風の挿絵に驚いたり、
たべるトンちゃん』の復刻版を読み、
グラフィカルな絵とブラックなお話にぶっ飛んだ経験もある。

「初山 滋、いいね」と思いつつも、そんなにたくさんの作品に触れたわけではないので、
これもいい機会だと思い、さっきAmazonで
「別冊太陽『初山 滋(線と色彩の詩人)』」を “ポチッ” とした。

私の母はすぐ上の兄の影響で『少年倶樂部』(あ、ちょうど5年前の記事だ……)派だったそうだが、
「初山 滋はいいね」と話した記憶がある。



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by penelope33 | 2013-09-06 23:36 | クラフト・デザイン | Comments(0)
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