2014年 08月 10日
『イーストウッド祭り』をやったのが2年ちょっと前か……。 でも、結局『硫黄島』や『グラン・トリノ』までたどりつかず、不満が残ったんだっけ。 長い長い『勝 新太郎・座頭市祭り』(映画全作+テレビ版の勝新監督作数本)につきあっていたのは、 東京都美術館の『バルテュス展』の最終日前日に駆け込んだ頃だったから、6月か (勝新・中村玉緒夫妻から贈られた着物が展示されていて、妙にタイムリーであった)。 それから『ミッション・インポッシブル』他の “エージェントもの特集” 、 『スタートレック祭り』があって、なぜか唐突に『ゲッタウェイ』('72)を観たZOOが、 「俺もマックイーンみたいに痩せる!」と言い出してビックリ。 マックイーンが単なる映画スターではなく、 今もなお “ファッション・アイコン” であると私自身が認識したのは、実は最近のこと (今はメンズのファッション誌のほうがおもしろくて参考になる)。 無造作に思えたマックイーンのカッコよさは、計算しつくされたものだったんだね……。 下の画像は『ゲッタウェイ』の黒スーツ。 まさに “ジャストフィット” という感じ。 サム・ペキンパー監督といえば、『ワイルドバンチ ディレクターズカット版』が観たいのだけど、 ZOOがなかなかリクエストを聞いてくれない。 むさ苦しい男ばかり出てくるので、なんだか気が向かないらしい(食わず嫌いだよ!)。 共演後に2人目の妻となるアリ・マッグローと。 マックイーンの3人の奥さんは、皆どこか似た雰囲気がある (好みの女性も一貫していたということか……)。 この映画は子どもの頃何度もテレビで観たけれど、 「この夫婦の機微は子どもじゃわかんないなぁ〜」としみじみ。 最初の妻であったニール・アダムズとのショットは、いい写真が多い。 ここで2枚だけ挙げておこう。 上の画像は、Wikipediaの「チャッカブーツ」のページに載っているもの ( 『ヒッチコック劇場第四集 - 南から来た男より』《'60》)。 定番のヘチマ襟のカーディガンを着たプライベート・ショット。 ジャズ・ミュージシャンのポートレートで有名なウィリアム・クラクストンの写真だと思う。 上の画像から3枚続いて『華麗なる賭け』('68)より。 珍しく大富豪の役なので、三つ揃いのスーツ(「ブリオーニ」らしい)を着こなしている。 コートの丈もオーソドックスな長さ。 フェイ・ダナウェイのモードな衣装(『ボニーとクライド/俺たちに明日はない』《'67》・ 『ブリット』《'68》のセオドア・ヴァン・ランクルが担当したとか……)も楽しめたけれど、 やはりマックイーンの服のほうが気になる。 紺のブルゾン(バラクータG9)とサングラス(ベルソール)、 チラッと見えるラインの入った丸首シャツも私物だろう。 キャップはどこのものかな〜? このアランセーターは、劇中ペアで着ていることもあった。 『タワーリング・インフェルノ』('74)より。 キビキビとした身のこなしなので、動画ではわからなかったが、 スチルを見ると結構この頃は恰幅がいい。 似合いすぎる消防服の画像は省略。 この映画は、オフィスの'70年代インテリアが興味深かった。 《追補》 ブルーレイ・ディスクの特典映像によると、 消防士用のヘルメットをつば広の特別仕様に作り替えさせたとか(流石!)。
『大脱走』('63)より。 アメリカ陸軍航空隊のA-2ジャケットは、前のジッパーが上まで締められないほど小さめ。 昔テレビで観て霜降りグレーだと思っていたトレーナーはブルーだった。 細めにカスタマイズしたチノパン、スウェードのマッドガード・チャッカブーツ。 このバッグ、欲、欲しい! “独房王(The Cooler King)” ヒルツ。 亡き母はこの映画のマックイーンが好きだった。 買物大好き、服大好き(もちろんクルマも好きだったけど)。 172cmと小柄ながら均整のとれた体躯を持ち、自分に似合うものを知りつくしていた男。 ここまで来たら、どうしても『ブリット』('68)が観たくなってきたのだけど、 ウチには短縮版しかないんだとか。 しかたがないので、今日は晩年の『トム・ホーン』('80)で我慢する (→『荒野の七人』《'60》に変更になっちゃった……)。 ******************************************** 自分に合ったテイストの店に出向き、気になるものを試着し鏡を見て、買ったり買わなかったり。 いろいろ試行錯誤して、だんだん自分のスタイルを作っていく。 ZOOさんも、ただ痩せるだけじゃなくて、そこまでやってくれないかな〜(無理か……)。 お義父さんは、スーツはいつもオーダーメイド、とてもおしゃれだったのにね……。 古美術・骨董 アンティーク・レトロ雑貨 ブログ・ランキングに参加しております。 上の「古美術・骨董」「アンティーク・レトロ雑貨」という文字を クリックしていただきますと、ポイントが加算されます。 お気が向かれましたら、よろしくどうぞ。
by penelope33
| 2014-08-10 22:28
| 観る・聴く・読む
|
Comments(5)
Commented
by
patronistaT at 2014-08-11 21:48
こんにちは お久しぶりです。
タイトルにひっかかってきました。私も祭りに参加します! やっぱりマックイーンは男の中の男! どれをとってもかっこいいです。 スーツは彼のように着こなさないとね。 彼は映画のプロモーションなどで来日したことないんです、たしか。 子供の頃、乳酸菌飲料の「ヤクルト」を相手取って訴訟を起こした時に来ただけ。 裁判を見に行こうと、ドキドキしてました。ニュースで見ただけで行ってはいませんが。
0
Commented
by
penelope33 at 2014-08-12 15:37
patronistaさん、おひさしぶりです。
【以下、訂正があります】 Wikipediaによると、「初来日は'66年『砲艦サンパブロ』のプレミア時。 ただし次の会場が香港であったため、日本での滞在時間はわずか20時間」とあります。 でも、当時の映画雑誌の記事によると、同作の台湾ロケの途中で寄ったとあります。 想像ですけど、プロモーションのために来日したことがないだけじゃなくて、 この人、そもそも自分の製作した映画以外、 あまりプロモーションであちこち行かなかったんじゃないかなぁという気が……。 滞在時の様子は以下の記事で読めますよ。 「スティーヴ・マックィーンの滞日20時間」 〜『映画の友』('66年2月/映画の友社 刊)〜 http://www1.ocn.ne.jp/~mkoseki/mcqueen/comment/comment4.html
Commented
by
penelope33 at 2014-08-12 15:44
'78年の肖像権訴訟、リアルタイムで見に行こうとしていたんですね!
この件については、以下のリンク先に詳しく書かれています。 『スティーブ・マックイーンが言い残していったこと」 〜『暮しの手帖』(第2世紀 第70号/'81年 January-February)〜 http://www1.ocn.ne.jp/~mkoseki/mcqueen/comment/comment2.html 「自分が触ったこともないラジオ、嫌いなヨーグルト(ヤクルト)の宣伝に出るはずがない。 ごく普通の庶民が多い自分のファンに対して、 自分には広告の商品や意図を吟味する責任がある」という言葉。 ……筋が通っているなぁと思いました。
Commented
by
patronistaT at 2014-08-14 16:10
こんにちは!! 『砲艦サンパブロ』のは台湾ロケの途中で寄ったって、
やっぱり当時の映画雑誌で知りました。 たしかに、あんまりプロモーションとか、 しかも遠いアジアまで行きたくなかったんじゃないかな? いまでこそアジアは重要なターゲットですが、昔だからねぇ。 ケビン・コスナーの『ボディガード』はマックイーンとダイアナ・ロスで構想があったとか。 でもマックイーンは黒人との競演に良い顔しなかったというのもどこかにあったかも。 なんとなく、わかりますね。でも、いいんです、カッコいいから。 リンク、ありがとうございます!! 便利な世の中になりました。
Commented
by
penelope33 at 2014-08-15 14:14
なんだかこの10日間ほどで、急に彼のことに詳しくなってしまいましたよ……。 ^^;
「シャロン・テート事件」の暗殺リストの筆頭にリスト・アップされていて、 しかもあのパーティにポランスキー監督から招待されていたということに、 衝撃を受けました。 でも、新しい彼女とデートの約束ができたので、 あのパーティには行かなかったとか……(なんたる強運!)。 「祭り」、その後も『荒野の七人』『シンシナティ・キッド』 『ネバダ・スミス』『華麗なる週末』『栄光のル・マン』と、 まだ続いています〜。 |
アバウト
古道具屋「ロータス・ブルー(青蓮亭)」店主のつれづれ。家族は映像ディレクターの相方ZOO(2021年9月13日、横行結腸がん+肝転移により58歳で逝去)とキジトラ猫のヤマコ(♀/2022年9月23日、16歳で他界)。ブログ主は、膠原病類縁疾患の『シェーグレン症候群』のため療養中です。 by 青蓮亭 カレンダー
*「ウチのもの・ウチのこと」
「つれづれ」「観る・聴く・読む」 以外のカテゴリで御紹介している 古いものは「商品」です。 *古い記事についてのコメントも 大歓迎です。 また、価格のお問い合わせなど、 どんな些細なことでも、 また何度でも、 どうぞ御遠慮なくお尋ねください。 *E-MAIL はこちらへ (メインのアドレスを G-mailアドレスに変更しました)。 古美術・骨董 アンティーク・レトロ雑貨 ブログ・ランキングに 参加しております。 上の「古美術・骨董」 「アンティーク・レトロ雑貨」 という文字を クリックしていただきますと、 それぞれポイントが加算されます。 お気が向かれましたら、 よろしくお願いいたします。 カテゴリ
全体 初めて御覧になる方へ LE LOTUS BLEU の由来 価格について 古いもの・古びたもの レトロ・ポップ クラフト・デザイン 大江戸骨董市 西荻骨董好きまつり ドーの古道具市 点店 ルーサイト ギャラリーの骨董市 二子ノミの市 イベント出店 書籍『野菜のポタージュ』 書籍『野菜のスープ』 お知らせ つれづれ ウチのもの ZOOの夢日記 観る・聴く・読む タグ
器(541)
骨董(467) 古道具(405) ヤマコ(328) 住まい(283) 骨董市(248) カルチャー&サブカルチャー(210) 民藝(189) 食べる・のむ(177) 木工・天然素材(134) 白いやきもの(127) 金属・金工(122) ヴィンテージ(79) 家族・思い出(76) ガラス(71) 小さきもの(65) 身につける(52) カメラ・時計(41) 琺瑯(35) 紙もの(26) 染付(11) 印判(11) ブログジャンル
検索
最新のコメント
ブログパーツ
記事ランキング
画像一覧
最新の記事
以前の記事
2023年 04月 2023年 02月 2023年 01月 2022年 12月 2022年 08月 2020年 08月 2020年 06月 2020年 05月 2019年 07月 2018年 11月 2018年 07月 2018年 02月 2018年 01月 2017年 12月 2017年 10月 2017年 09月 2017年 08月 2017年 04月 2017年 03月 2017年 02月 2017年 01月 2016年 10月 2016年 09月 2016年 08月 2016年 07月 2016年 06月 2016年 05月 2016年 04月 2016年 03月 2016年 01月 2015年 12月 2015年 11月 2015年 10月 2015年 09月 2015年 08月 2015年 07月 2015年 06月 2015年 05月 2015年 04月 2015年 03月 2015年 02月 2015年 01月 2014年 12月 2014年 11月 2014年 10月 2014年 09月 2014年 08月 2014年 07月 2014年 04月 2014年 02月 2014年 01月 2013年 12月 2013年 11月 2013年 10月 2013年 09月 2013年 08月 2013年 07月 2013年 06月 2013年 05月 2013年 04月 2013年 03月 2013年 02月 2013年 01月 2012年 12月 2012年 11月 2012年 10月 2012年 09月 2012年 08月 2012年 07月 2012年 06月 2012年 05月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 ライフログ
ファン
|
ファン申請 |
||