2014年 09月 03日
会津本郷焼のやきものは、これまでに 鉄釉徳利、鉄釉大皿、藁灰釉大皿といったものを扱ってきた。 この肌色の釉の小皿は最初どこのものだかわからず、 東北の業者さんに「本郷焼」だと教えられ、「こんなものもあるのか」と驚いた。 調べてみると、本郷焼には「糠白釉」と呼ばれる釉があったので、 それに当たるのではないかと推測 (現代作家の作品で「ぬか白釉」という表記を見かけたので、 湯桶《ゆとう》読みで「ぬかはくゆう」でよいのだろうか……?)。 ネット上で作例を探したところ、古陶・本郷焼の「糠白釉」の作例は このページの「糠白釉筒描片口」という品しか見つからなかった。 小さな孔がふつふつとあいていて、ちょっと志野釉に似た雰囲気もある。 ********************************************* お詳しい方から、「糠白釉」ではなく、 本郷焼初の磁器とされる「砕石手」ではないかとの御指摘があった。 「『糠白釉』ってもっと白いんじゃない?」という疑問、 それと、自分が持っているもの以外でも一度この皿を見かけたことがあり、 「比較的レアとはいえ、市中に出回っているのに、どうして皿の作例が載っていないんだろう?」 という疑問があったので、 後述の「砕石手」の特徴をうかがってみると、これは「砕石手」と言ってよいのかなという気が。 引き続き、お詳しい方の御教示をお待ちしております。 (明治頃/直径:約13.3〜13.7cm・高さ:約3cm/御売約) 「砕石手」とは、苦労する白磁化への途中の品で、酸化炎焼成の半陶半磁器。 磁器の様に白くならず、不透明な灰白色か黄味を帯びる。 皿や碗が主体で、高台内に重ね焼いたハリ目跡数個。 胎土は磁器質・灰白色・細かな白と黒の粒状が混じる。 殆どに簡単な鉄絵草花文が描き絵・刷り絵で施される。 肥前の「陶胎染付」や瀬戸美濃の「太白手」と同種のもの (↑瀬戸が「陶胎染付」、美濃が「太白手」、「肥前」が「初源伊万里」だと思っていましたが……?)。 単体では地味な存在だけど、しみじみとした良さがあり、また料理映えのする器だと思う。 素朴な井桁文様が鄙びた味わい。 「ハリ目跡」(「出ベソ」状の目跡)は本郷焼の皿でよく見受けられる。 「これが磁器?」という外見だが、指ではじくと確かに結構高い音がする。 目立たないところに1ヶ所カケがある。 輪高台の外側を面取りしているのが、「砕石手」の特徴だとか。 少々ガタツキがあるが、問題のない程度だと思う。 古美術・骨董 アンティーク・レトロ雑貨 ブログ・ランキングに参加しております。 上の「古美術・骨董」「アンティーク・レトロ雑貨」という文字を クリックしていただきますと、ポイントが加算されます。 お気が向かれましたら、よろしくどうぞ。
by penelope33
| 2014-09-03 23:01
| 古いもの・古びたもの
|
Comments(4)
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at 2014-09-03 23:10
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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by
penelope33 at 2014-09-03 23:25
> 鍵コメント at 2014-09-03 23:10 様
重ね重ねありがとうございます。 鍵コメントで、お名前・御住所(郵便番号)・お電話番号・メールアドレスを お知らせいただけますでしょうか? どうぞよろしくお願いいたします。
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at 2014-09-04 22:47
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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by
penelope33 at 2014-09-05 21:51
先程、お取り引きの御案内のメールをお送りしましたので、
よろしくお願いいたします。 |
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古道具屋「ロータス・ブルー(青蓮亭)」店主のつれづれ。家族は映像ディレクターの相方ZOO(2021年9月13日、横行結腸がん+肝転移により58歳で逝去)とキジトラ猫のヤマコ(♀/2022年9月23日、16歳で他界)。ブログ主は、膠原病類縁疾患の『シェーグレン症候群』のため療養中です。 by 青蓮亭 カレンダー
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