酒器にならない塩笥なんて売りにくいかと思いつつ、
艶やかな釉調と、白地にグレーの帯がたなびくように入っている様に惹かれ、買い求めた。
『西荻骨董好きまつり』や『ルーサイト ギャラリーの骨董市』に持っていったりもしたが、
案の定ほとんど手に取る人もなかったので、まあ無理に売ることもないかと、家に置いてある。
一応画像をUPしてみる。
(李朝前期/胴径:約13cm・高さ:約9.6cm/御売約)

その年の秋、渋谷区立松濤美術館で『古道具、その行き先 坂田和實の40年』という展覧会があり、
この塩笥と同じようにグレーの帯の入った「朝鮮 李朝 白磁壺(15-16世紀)」を見かけた。
「今更坂田さんが白磁塩笥って、どうして選んだんだろう?」と少し不思議な気がした。
フライヤーには、「とうとう、既成の美の/価値観というような/大きな堅固な壁と/撃沈覚悟で/
真っ向勝負という形に/なってしまいました」とあったし、
観逃した『骨董誕生』という展覧会(2006年/於 同館)での雑巾、
使い古しのネル製コーヒードリッパーなどの噂を聞いていたので、
観る者に「骨董」の概念を問い直すような、
かなりラディカルな内容の展示になると予想していたからだ。

これが図録の図版を複写した画像(撮影:ホンマタカシ氏)。
ザラついた用紙なのでちょっとわかりにくいが、
こうやって比較してみると、
おそらく坂田さんはこの極端に張った胴のフォルムに惹かれたのだと思う。
グレーの帯については、あるいはどうでもよかったのかもしれない。

展覧会については、共感するところもあり、反撥を覚えるところもあり、
懐かしい品との再会もありと、興味深く、いろいろなことを考えさせられた。
最終日に駆け込んだのだけど、
晩秋だというのに、観終わった後鼻水が止まらず(アレルギー体質で、スギ花粉とハウスダストがダメ)。
やはりあれだけの量の古物、放出するホコリの量も相当なものだったのだろう。




見込みに亀裂が走っているが、水は漏れない。


「用途」としたら花生けだろうけど、この姿を静かにながめるだけで十分。
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茫洋として、距離感が掴みにくいからでしょうか。
あんまり用途がなくても(失礼)、好きなものをただ眺める、という
余裕を持ちたいですね。
そうですね。画像のほうが実物より大きく感じますね。
でも、どんなに気に入っても(そして手に届く値段でも)
保管スペースがないのであまり大きなものは買えないんですよね。
時間的・経済的な余裕もあまりないので、
普段は食事の器を好みのものにするくらいがせいぜいですよ(笑)。

