1981年・福岡県生まれ。
2007年、東京藝術大学美術学部絵画科日本画専攻卒業。
近年は、画家・鏑木清方が提唱した「卓上芸術」に触発された
連続展「卓上の絵画」他、近代日本画の潮流とは異なる絵画の可能性を探り、
インスタレーション作品も手がける。
現代美術のアーティスト冨井大裕や小説家 古川日出男との
コラボレーション展なども行い、
主に現代美術の画廊を発表の場としている。
2018年から佐賀大学芸術地域デザイン学部専任講師を務め、
佐賀を拠点に活動中。
作品は川崎市市民ミュージアム(神奈川)や
東京藝術大学美術館(東京)に収蔵されている。
本作は、年代や題材から、古川日出男の文言とのコラボレーション
『覆東恐怖譚 鴉、テレヴィ、犬』(2012)の前後に制作した小品ではないかと推測。
無垢材の上に見える、
淡く甘い金平糖のような色合いの小さな構造物は何だろう?
見慣れた具象と不可思議な抽象の組み合わせが、
清浄で心地よい緊張感を漂わせ、絶妙だ。
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(以下の画像は、MA2 GALLERY の
サイトより)
『覆東恐怖譚 鴉、テレヴィ、犬』(2012)
岩絵具、水干、膠、墨、鳥の子紙、ペン
絵・近藤恵介/文字・古川日出男
(全5点中の3点)
2021年に発表された近藤の論文『卓上の絵画、線の振幅』で、
彼は以下のように述べている。
「近代の日本画家の素描を見ると、
模写の意識が染みついているのがよくわかる。
他者の線を引用するというよりも身体性も
一緒に引き写すことを繰り返しながら、
やはり私は私なのでそれぞれの線になってゆき、
次第に何らかの形を結ぶ。」
日本画の伝統的な修練において、古典作品の模写は大変重要で、
近藤もまた先達と同様にその過程を経て、現在の創作活動へと至る。
先達が描いた直筆の線は、解像度 何ピクセルといった
印刷物の線とは全く異なり、
その細さや強弱に「身体性」が感じられるのだという。
その「身体性」(他者の肉体による営為)をも合わせて写す
濃密な作業を繰り返した上で、自身の発想を自由に展開している近藤の
作家としての奥行きと現代性は、今後、さらなる注目を集めるだろう。
【リンク1】
gallery αM
(美術批評家 石川卓磨 氏とのアーティスト・トーク動画 有)
【リンク2】
※ギャラリー・カウンタック清澄の閉廊に伴い
消えた特設webサイトの内容を再編集し、
kondokeisuke.comへと移設したもの。
近年の主な個展に「絵画の手と手」LOKO GALLERY(東京、2022)、
連続展「卓上の絵画」(MA2 Galleryなど、2017–2020)。
主な二人展に「あっけなく明快な絵画と彫刻、続いているわからない絵画と彫刻」
川崎市市民ミュージアム(オンライン、2023)/LOKO GALLERY(東京、2023)、
「、譚 近藤恵介・古川日出男」LOKO GALLERY(東京、2019)。
主なグループ展に「所在-游芸」kenakian(佐賀、2021)、
「VOCA展2019 現代美術の展望─新しい平面の作家たち」上野の森美術館(東京、2019)他。
作品集『12ヶ月のための絵画』(HeHe、2014年)
数々の書籍やCDジャケットなどに作品を提供している。
論文:「卓上の絵画、線の振幅」(佐賀大学芸術地域デザイン学部研究論文集 第4号、2021年)
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【平川典俊】プロフィール