青蓮亭日記

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2007年 11月 19日

大江戸骨董市(11/18)

第三日曜の昨日(18日)は大江戸骨董市に出店。

冷え込みそうな気配だったので、
コーデュロイ・パンツとハイソックス、携帯カイロとフリースの毛布、
仏軍ジャンパー、小さなマフラー、毛糸の帽子と、しっかり防寒対策をして家を出る。

写真を撮る前に売れたものは、戦前の吹きガラスのインク壜、
明治頃の厚手の漆皿、粉おしろいの缶、
オランダの正方形の額(タイルを飾る大きさ?)など。

朝いちの商いがいまひとつで、なんだか嫌な予感。
寒さのせいか人が少ないような気がする。
ということで、いつもより早い時間から写真を撮り始めた。

大江戸骨董市(11/18)_f0151592_18392750.jpg





上の画像、手前から“ニューフェイス”を中心に。
“香港製ホーロー三兄弟”のボウル。
右の大きなお盆の中央は、新羅〜高麗初期頃の土器の徳利。
手前の白磁盃2つ。
より白い左のものは李朝後期、見込みに薄らと青い釉だまりがあってきれい。
右は李朝後期〜末期のもので、緑がかった釉。

ブリキのピッチャーの向こうの木鉢のようなものは、
19世紀後半のアメリカで砂金を選り分けるのに使われた金属製の盥(たらい)。
黒い錆止め塗料が刷毛で塗られていて、独特の質感。

その向こうは、日本の明治〜大正頃の鏡
左の取っ手のついたブリキ缶はミルク缶のような雰囲気だが、
灰を運ぶ容器だったとどこかで読んだ気がする。

大江戸骨董市(11/18)_f0151592_18394957.jpg


上の画像。
見つけるとつい買ってしまう、
大正〜昭和期の吸入器セットの備品の、小さな色ガラスのビーカー。
青いコップはオランダのもの。さほど古くはないが、色と形がきれい。
左後ろは、注ぎ口のないビーカー。
知り合いのKさん(同業者に一目置かれている先鋭的な感覚の方)の店を訪ねたときに、
このビーカーでビールを御馳走になり、「こんなのがあるんだぁ」と瞠目したことがある。
琺瑯とアルミのレンゲは、いつものものよりひとまわり大きく、廃れたたたずまい。
フランス製の小さなアルミ容器2つ。

ぽってりとした形のマロン・ブラウンのピッチャーは、
イギリスのDENBY社のもの(20世紀半ばくらいのものか?)。
底に“LOVATTS”という刻印がある。
DENBY社は1809年に創業し、20世紀の始めには
「すべてのイギリスのどの家庭にもある」と言われたという庶民的なメーカー。

午後1時をまわる頃から少し暖かくなってきたが、風が出てきた。
枯葉がそこここに落ちてくる。

その後売れたのは、四角い刳り貫き盆、“ホーロー三兄弟”、“知育積み木&時計”、
アルミ弁当箱、琺瑯レンゲ、ハーフサイズカメラのKONICA EYE2(左下の画像)など。

大江戸骨董市(11/18)_f0151592_1840117.jpgKONICA EYE2は、'64年に当時の小西六写真工業
(→コニカ→現コニカミノルタ)が初めて発売した
ハーフサイズカメラKONICA EYEの後続機('65年発売)。
小西六が開発した名レンズHEXANON・32mm/F1.8を備え、
ハーフ機ながら深みのある表現力が特徴。

若い女性が熱心に見ていたので声をかけると、
意外にも英語が返ってきたので、
その容貌から「わっ、デヴォン青木!」と思ってしまった。
作例写真などを見せながらなんとか説明すると、
うれしそうに即決。
LOMOユーザーで日本在住とのことなので、
今のハーフ機の相場も知っていて、日本語マニュアルでも大丈夫なのだろう。
ピント合わせが目測式であることや、水銀電池のことまでは説明できなかったけど、
“デヴォン嬢”があのカメラで楽しんで写真を撮ってくれますように……。

この日一番手に取られることが多かったのは、
この秋入手してしばらく自分で使っていた徳利と白磁盃(左)。
「(“新羅〜高麗”とあるが)高麗だね」「時代は(李朝後期より)もっと遡るでしょう」と、
年代考証をしてくださる方から、肌合いや形を褒めてくださる方、
かなり真剣に購入を検討されている様子の方もいたが、この日は売れず。

大江戸骨董市(11/18)_f0151592_1859116.jpg


珍しく仕入れたこの徳利は、口に直しがあるものの、
発掘ものに見られる“かせ”(釉薬が剥がれ落ち、表面がかさかさした状態)がなく、
10〜11世紀頃のものとは信じ難いほどよいコンディション。
この時代の土器には、後年の李朝徳利のおおらかな形とは異なる、
非常にシャープな器形を持つものがときどき見られる。
私のレベルでは李朝のよい徳利など扱えないし、
自分の身の丈に合ってしかも好みのフォルムの徳利なんて滅多にないので、
まあ気長に売りましょうか。

結局、売り上げ金額ではあまりパッとしない1日だった。
鏡や“砂金盥”など、ごくまれに褒めてくださる方はいたものの、
やはり渋すぎたのか手に取る方が少なかったのが残念。
古陶磁は値段を下げたからといってそうそう売れるものではないので、
いつもながら5,000円以下の雑貨類の仕入れが課題。

御来店の上、このブログを御覧くださった皆様、ありがとうございました。
頑張ってまたおもしろい品を探してきます。
次回の出店は12月16日(日)です。

大江戸骨董市(11/18)_f0151592_198298.jpg


by penelope33 | 2007-11-19 19:24 | 大江戸骨董市 | Comments(0)
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