青蓮亭日記

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2008年 02月 24日

Björk the Volta Tour @日本武道館(2008.2.22)

一度は売り切れたビョークの東京公演(武道館2日目)の追加チケットが発売になったので、
20日深夜にネットで予約し、22日の公演当日に引き換える。

ブログを始めてから手が回らなくなったmixiだけど、
友人・知人の動向やこうした情報がいち早く入ってくるのはありがたい。

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当日。
舞台正面には、中世ヨーロッパの城内に下げられているような鮮やかな色の旗。
そこには王家の紋章の代わりに、
生物図鑑から抜き出してきたような
鳥、鰐、蛙、魚(=生物界のヒエラルキーの下層にいる生きもの)の絵が描かれている。
そこここに日本の大漁旗を小振りにしたような“幟(のぼり)”が立っている。
舞台セットは意外なくらい簡素。
沖縄民謡が流れている。

定刻を20分程過ぎて開演。

まず10人のブラスバンドが登場(後で知ったのだけど、全員女性だったとか)。
赤や黄色の炎のような色合いの派手なジャンプスーツ。
“ハチマキ”風の(たぶん)メイク。
背中のあたりから小さな旗が出ていて「ハタ坊」
(後に彼女たちは“ブラバン・ダンサーズ”と化す)。

私の席は1階西、舞台下手、ほぼ真横。
開演前は舞台から近いような気がしていたけれど、み、見えない……。

朧げに見えるのは、黒いウェイビーヘア、
歌舞伎の衣装のようなボリュームのある光りもののミニドレスと、
“ハチマキ”風のメイク、ブンブン振り回す巾着袋(?)。
足首まである光る素材のレギンズをはいているので、
ストンとした人形みたいな脚がシリコン製か何かのように見える。
そしてお約束の裸足。

これまで観たビョークのライヴは、
'90年のThe Sugarcubes時代@渋谷クラブクアトロ、
'01年のソロ2度目@恵比寿ガーデンホールと、すいぶんと昔のこと。

'03年のフジロックフェスも白いフワッとした衣装だったらしいけど、
これまでの“裸足のロリータ・ディーヴァ系”の衣装と比較して、
洗練されたモードの枠からはみ出した過剰さ、戦闘的な姿勢を強く感じる。
最新アルバム『Volta』(電池の発明者アレッサンドロ・ヴォルタの名前が由来)
のためのビジュアル(上の画像)も同様。

1曲ごとに「アリガト」と一言、アンコール前には一切MCなしのタイトな構成。
最新の機材「Reactable」などを取り入れた、
おそろしく完成度の高いエレクトロ・サウンド
LFOのライヴまで体験できたような“二度おいしい”感じだった。
会場が武道館でなければ、あの重低音ビートがこもらずにもっと堪能できたのにと思う)。
はらわたに響くような生の金管楽器の音。
そして、あの広い空間を完全に支配するエモーショナルなビョークの声。

ありがちだと思うけど、やっぱり『Hyper-Ballad』でジワッときた。

アンコール1曲目、唯一の『Debut』からの曲、
ブラスを伴いながらほとんどアカペラで歌う『The Anchor Song』の詩情と静寂の後、
「旗を高々と掲げて独立を宣言せよ」とアジテートする『Declare Independence』の
怒濤のエレクトロ・ミュージックで鮮やかなコントラストを見せ、ステージは幕を閉じた。

ビョークのヴォーカルのearthyな魅力、クラシック音楽のバックグラウンド、
最新のテクノロジーと非西欧音楽に対する知的かつ本能的なアプローチ、
そしてそれらを大衆的なポップ・ミュージックへと昇華してきた道程は、
例えば'80年代のピーター・ガブリエルやイーノ&デイヴィッド・バーンなどの試みを
軽やかに凌駕している(両方聴いてきた私はそう実感する)。

この“きわめて知的で獣じみていて、そして愛情深い”ひとりの女性の動きを、
これからもずっと追っていきたいと思う。

情報に疎くて、
最近までマシュー・バーニーと結婚して娘をもうけたことを知らなかったのだけど、
今までの彼女の(どうも格下の)パートナーたちと比較したら、
いやー、なんともお似合い。見事なゴールイン。

by penelope33 | 2008-02-24 23:16 | 観る・聴く・読む | Comments(2)
Commented by るー at 2008-02-25 16:49 x
うわお!行かれたのですねー 
いいないいなー
意見がいちいちオヤジで申し訳ないのですが
彼女の足は、たしかにマネキンのような質感ですね。
ひさびさアルバムを聴いてみようと思います。
Commented by penelope33 at 2008-02-25 19:02
足首がきゅっと細いオトナの女の脚ではなくて、幼女のような脚なんですよね(笑)。

最新アルバムからの曲と同数、『Homogenic』から5曲やってました。
改めて佳曲の多いアルバムだったんだなと。
懐かしいところでは『Debut』から『The Anchor Song』を。
胸にしみました。
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