青蓮亭日記

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2008年 06月 30日

日本のミッド・モダン・インテリア

昨日のSEIKOの時計から連想して。

日本電建という会社が設計・施工した個人住宅の実例を紹介している
『美しい室内写真集』という小冊子。
昭和30年(1955年)3月30日発行(同社出版部 刊)。発行当時の定価=130円。

個人的にはとても興味深い内容だと思っているのだけど、
ずっと売れ残っていて手元にある。
ZOOからは、
「おもしろいからとっておけば?売ったってどうせたいした儲けにならないんだから」
と言われた(それもそうだね……)。

当然和室の写真も収められているのだが、
なんといっても当時の “モダン” なインテリアが見られる洋間の写真が楽しい。
今、古道具屋にある “和製洋家具” たちがピカピカだった頃の姿が見られる。

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『明朗建物写眞集』には、いったいいかなる建物が収められているのか?
お台所写眞集』にもハゲシクそそられるものがある。

この冊子が出版された昭和30年(1955年)には日本住宅公団が設立された
(翌年、初の入居者を募集)。

また、前年の昭和29(1944)年に
婦人画報社主催の「モダンリヴィング展」が全国の高島屋デパートで開催された余波か、
「モダンリビングブーム」が巻き起こったという。

同年、日本橋高島屋において、
「コルビュジェ・レジェ・ペリアン3人展」が行われている。

『日本の生活デザイン —20世紀のモダニズムを探る—』
《'99年/建築資料研究社 刊》より)

この冊子に掲載されている約12坪〜66坪の住宅の竣工は全て昭和29年(1954年)。
この時期にこういった一戸建て住宅を建てられた人々は、
かなり恵まれていたと言えるだろう。

by penelope33 | 2008-06-30 23:55 | クラフト・デザイン | Comments(4)
Commented by cocomerita at 2008-07-01 00:53 x
こんにちわ
なんか妙にすっきり、センスよくまとめてあって気持ちがよいのはなんで何でしょうか??
洋間なんだけど、日本人の感性とか賢さをなおざりにしていないとこでしょうかね?、、
Commented by penelope33 at 2008-07-01 01:29
cocomeritaさん、はじめまして。コメントをありがとうございます。

この時代でも既に、外資系企業とか建築家・デザイナーといった方たちの自邸など、
もう少しトンガッた欧米流のモダン・インテリアも存在していたと思うのですが、
ここにあるインテリア例が、
欧米流のモダニズムを消化した日本人の建築家やデザイナーが、
ごく一般の日本人の顧客を対象に、
主に日本でつくられた洋家具を使ってつくりあげた空間だからじゃないでしょうかね……。

cocomeritaさんは長年ヨーロッパにお住まいのようなので、
こういう和洋折衷感覚が特に新鮮に見えるのでは……?
私のウチなんていまだにこんな↓ 感じですから(笑)。
http://seirentei.exblog.jp/7736644/
Commented by take at 2008-07-04 08:54 x
S29年生まれの僕が幼少の頃でもまだ、訪ねる家にときどきこういうところがあって、子供心に「うわあーハイカラやなあー」と感心したものでした。あの頃は皆が一様に貧しくて、、、、、。ああ、あまり懐古すると最近ヒットした映画のコピーみたいになるからやめとこ。
Commented by penelope33 at 2008-07-04 09:35
おお、TakeさんはS29年生まれでしたかー。
でもTakeさんの御実家こそ、
こういった「応接間があって、ソファーがあって」というイメージがありますけど……。
和風の旧家だったのでしょうか……?
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