青蓮亭日記

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2008年 11月 01日

ノスタルジーとナルシシズム

このブログに載せるために撮った、
自分の住まいや暮らしぶりを収めた写真もいろいろとたまってきた。
いつか今の家を引っ越しても、ここに住んだ記憶を思い出すよすがには事欠かない。

でも、私が長年ひとり暮らしをしていた「和泉荘」の部屋の写真はほとんどない。
わずかに写っていたとしても、あくまでも人物の背景でしかない。
当時は日々の暮らしを写真に撮るなんていう発想が全くなかったからなぁ……。

知りあいの御夫妻で、新婚時代を過ごした古いアパートの部屋の写真を、
友人のカメラマンに撮ってもらって1冊のアルバムにまとめたという方がいて、
「なるほどー!」と感心し、うらやましく思った。

下の画像は、「和泉荘」時代の風呂用の給湯器に貼っていた、
好きなポストカードの断片など。
元はもう少し不定形だったのだけど、引っ越すときに四角くまとめた。
右上のケミカル・ブラザーズの公演の告知ハガキは1995年のもの。

「コラージュ」というのもおこがましいただの切り貼りだけど、
これを見ると、大きなパロマのガス給湯器のあった古いアパートのことを思い出す
(コピーしたものをこの椅子を撮影するときのバックに貼った)。

ノスタルジーとナルシシズム_f0151592_22234986.jpg




何を検索していたのかも忘れてしまったけれど、
昨日・今日と偶然「2ちゃんねる」の「暮らし・生活系ブログ」に関するスレッド
(=掲示板上のあるテーマへの一連の書き込み)をみつけて、
こういったブログで陥りがちな「ナルシシズム」には気をつけないとなぁ……
と改めて思った。

私はなぜブログを始めたのか。
その前身として「mixi日記」があったのだけど、
自分の “店” を知ってもらう「宣伝と販売促進」と、
人様に読んでもらう文章を書くという「自己修養」(ひいては「ボケ防止」?)。
それと、日々の生活で観たり聴いたり読んだりする中で、
自分が抱いた感情を記録しておきたいということもあった。

四苦八苦して写真を撮り続け、文章を書き続けていく中で、
ささやかな「自己表現」という喜びや、
さまざまな人と交流していく楽しさが加わった。

ほぼ毎日更新するとなると、
私の仕入れの分量だと商品の紹介だけではもたないので、
自分の趣味・キャラクターや暮らしぶりの紹介の比重が多くなる。
そして過去のことを振り返る機会も増えてきた。
もう中年だから、ノスタルジーの対象はたくさんある。

自分に関することを書くときには、
ナルシシズムに陥らないよう自分なりに気をつけているつもりではある。
飾らない、偽らない、自己陶酔しない、常に自己批評の目を持つ……。

鍋だのやかんだのポットだの「こだわりの選択」をするようなことを書いても、
所詮自分は「台所用品マニア」で、たいした料理もつくっていないだろーとか。

ヤマコは家族のような存在だけれど、
猫に興味のない人からすれば私たちは「猫バカ」なんだよねーとか。

子どもの頃の写真を載せるときは、自分でも笑いとばせるようなものや、
当時のモノや風俗や風景が、見る人の記憶を呼び起こすようなものを選ぶとか。

たかがブログ。されどブログ。
文章のプロではないので、何かと匙加減がムズカシイ。
でも、生ぬるい暮らしをしている私にとっては、
書かないより書くほうがアタマの訓練になっていると思う。

by penelope33 | 2008-11-01 22:33 | つれづれ | Comments(13)
Commented by sa55t at 2008-11-02 05:02
羨ましや、peneさま。
写真はあれど書くことなし。
写真はあれど書く術なし。
苦しんでます毎日。
Commented by penelope33 at 2008-11-02 12:45
たわいない話題ばかりですけど、
私も「毎日最低1枚の写真と文章を」というのは結構タイヘンです。
あんまり暗いことや重いことは書けないですしね。

でも、ほぼ毎日更新しているのは、"アクセス数の奴隷"になっているからなんですよ(笑)。
アクセス数が減るとショボーンとしてしまいます。

1日8時間はお仕事に時間を取られていて、
通勤のときも車を降りて街を歩けない環境ってつらいですよね。
でもsa55tさんには膨大な量のハイクオリティな写真のストックがあるのですから、
その写真に十分語らせることができるのでは……?
Commented by au_petit_bonheur at 2008-11-02 15:37
peneさま
緻密で、抑制がきいて、しかもユーモアを感じさせる文章
冴えてるな〜、どうしたら、こんな文章を毎日書けるのだろう、と 妬みつつ(笑)楽しみに読んでいます。
やかん選びもそうだけど、私って本当、行き当たりばったりなの
よね〜(au petit bonheurってそういうつもりでつけたんだけど、
意外と字面がかわいかった)って、peneさんのブログに
出会って反省する毎日でございます。
その割にはなかなか進歩しませんが、人生長いですから。
多分。

Commented by au_petit_bonheur at 2008-11-02 15:40
あ、やだ、改行消えて、なんか妬みつつが目立つではありませんか!
上のコラージュもポストカードに!(一体何枚もらうつもりなのか?)
(笑)
Commented by penelope33 at 2008-11-02 21:23
> プチさん

いやいや、なんだか書けば書く程、
「もっと随筆の達人の文章を読まなくちゃ」と痛感する毎日ですよ……。
すみません、前から聞こう聞こうと思っていたのですが、
「bonheur」の意味がわからない私です。

ポストカード、お安い御用です!
Commented by マジョ at 2008-11-02 22:02 x
不憫なネット環境の為、日参は叶わず月参して密やかにアクセス数を廻しとるマジョです。
ぺぺねろぷさ、お久しうに。ご機嫌麗しうて何よりに存じます。
時折、あなたの諧謔性を秘めた安定感ある文章に触れとうなるのです。
ブログは(書く方も読む方も)娯楽の一種ですよね。
ほんでもって、道楽や娯楽ってへのは、駄菓子についてるおまけの如し、人生の余興ですかな。
まれにそのおまけを人生の本体にしてしまう与太者もおりますがな。(ホレ、ここにひとり。)
ぺねろぷさは、与太者マジョに惜しみなく娯楽を分け与えてくれる女神様のよなお人だ(笑)
だから大きな感謝激励の印を押しておこうと、足跡ぺてり。

しかし、書くことがボケ防止というのは本当です。
書かなくなった私は、糠床に脳味噌漬かっちゃって、脈々と痴呆が進行中でありますヨ。ほっほ。
Commented by ぷち at 2008-11-02 23:12 x
こんばんは。
オ・プティ・ボヌール、直訳ではちっちゃな幸せ、幸運、でも、慣用表現で「行き当たりばったり、でたらめ」という意味に。
行き当たりばったりでも、なんとか。。。という感じかな、
これって私?と使っているのです (^_^) 
ポストカード、楽しみにしています♪
Commented by penelope33 at 2008-11-03 00:24
> マジョさん

ごぶさたしております。その後お加減はいかがでしょうか……?
マジョさんのようなディレッタントに「諧謔性を秘めた安定感
ある文章」なんて言っていただけると恐縮してしまいます。
思えば私も、何を間違えたのか骨董などという「おまけ」を人生
の本体にしようとあがいている与太者でございます……。

「書かない」などと言わず、またマジョさんらしく幻惑的な世界を
描いて凡人を煙に巻いてくださいね……。
Commented by penelope33 at 2008-11-03 00:29
> プチさん

おお、解説をありがとうございます。
私もおおいに「行き当たりばったり」ですよ。
その日暮らしで、長期計画なんてぜーんぜんないですから……。^^;
Commented by m-loft at 2008-11-03 01:40
penelopeさんの文章私も大好きです^^
すご~く懐かしい気分になって
心の底から、色々な思い出が出てきて
自分の心の中の宝探しをするような感じで…
楽しませていただいてます♪

Commented by sa55t at 2008-11-03 01:41
peneさま
いつもろくでもない写真ばかりで、イヤになってきました。
あー。
やはりpeneさんように今までのいろいろなエピソードとそれを表現できる文章力があってこそ面白いものになるのでしょうね。
あー、爪の垢、送って下さい。
Commented by penelope33 at 2008-11-03 02:21
> m-loftさん

いつもコメントをいただき、ありがとうございます。
さらにお褒めのお言葉をいただき、うれしいやらありがたいやら。
おケガをされていていろいろと大変だと思いますが、
1日も早く回復されますようお祈りしております。
Commented by penelope33 at 2008-11-06 12:48
> sa55tさん

いやいや、何をおっしゃいますっ。
ひとり暮らしをされている今は、いわば第二のセイシュン時代だと思いますよ。
相次ぐ御不幸で本当にお気の毒ですが、コドクな時間があるからこそ、
これまでの人生を振り返ったり家族をより強く思ったりできるのではないでしょうか。
sa55tさんのブログ、私はとても切実なものを感じて胸に沁みますよ……。
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